女性の価値観 [人事1 組織改革]
最近、ちょっと女性の見方がちょっと変わってきました。もう十年以上前から「女性のほうがある意味芯が強い」というのは、実感していて、「男子の草食系」という言葉が流行りだしたときから、それは確信になりました。「亭主関白」なんてのは、死語というかもともと存在していなかったのではないかと。戦争やっているような筋肉が生死に関わる時代だけ、男性が強かっただけで、そうではない時には、筋肉は何の役にも立たず、精神的な強さのほうが強さの証明であると。
精神的な強さという観点で考えると、子孫を残すという生物のDNAを埋め込まれている女性のほうが、いざというときには強いと思うんですね。環境から子供を守らないといけないですから。
会社で、男性同士で昼食とっている時に、「だれのカミさんが最強か?」と言う話をすると、皆、「自分のカミさんだ」と譲りません。その理由は、聞くも涙の話ばかりです。
さて、働く女性の意識ってどうなんでしょうか?「半沢直樹」が大ヒットしたのは、予想外の女性の支持があったからだそうです。いまどきの若い女子の「高い価値観」とは、恋愛ではなく、オシャレ、ガールズトーク(女子会など)、キャリアが、いまの女性の優先度の高い価値観だそうです。すなわち「社会との関係性のなかの、自分の存在価値」ということです。なので、半沢直樹の価値観や行動原理に共感したのだそうです。
なんとなく、わかります。会社で成功しているキャリア・ウーマンほど、新しいチャレンジに向けて男性よりも転職率が高い気がします。常に自分の存在価値を高めたいと思っているのでしょう。
昨今、女性の活用や管理職への登用と政府も掛け声かけていますので、企業側もそういう人材を欲しいわけで、より魅力的なポジションをオッファーするわけで、それがまた彼女たちの存在価値を高めるわけです。
労働市場の流動性の上昇は、まず、こういう女性管理職から始まるのでしょう。
また、管理職予備軍の30歳くらいの女性も「存在価値」で揺らいでいるようです。記事。
フォロワーシップ Followership [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
リーダーシップの対局をなすのがフォローワーシップで、「部下が上司に与える影響力」の事です。ある意味、複雑性の高まる社会が必要とするリーダーシップは、特定個人に依存するものではなく集合的なリーダーシップ、言わば全員参加型のリーダーシップ とも言えるでしょう。
毎回、新しい上司に組織が左右され、昨日までやっていたことが全否定という事は、日常茶飯事ですが、それをそのまま従うというのも、組織があまりにも自律していないと言わざる負えません。上司と一緒に考え、意見もするし、協調もするというのが、望ましい姿であると思います。
特に近年、課長のプレイング・マネジャー化は加速し、部下の面倒を時間的にみれないマネジャーが増加している傾向にあり、指示待ちの部下ばかりですと組織力は落ちます。
また、従業員の高齢化現象の下、部下が皆、ジュニアばかりではなくなっているので、能力的にもフォロアーシップを発揮できる環境にもあると思います。
フォロワーシップの提唱者である米国カーネギーメロン大学のロバート・ケリー教授の調査によると、組織が出す結果に対して「リーダー」が及ぼす影響力は1~2割。対する「フォロワー」が及ぼす影響力は8~9割にものぼるそうです。
フォロワーシップの効果<組織的効果>
- 目的・方針を共有して実行に移すことができる
- 上司の判断や決断のミスや、ぬけもれを防ぐことができる
- 現場の生の情報をボトムアップすることができる
- チームとしての一体感や凝集力を高めることができる
- 提案・提言する雰囲気や文化をつくることができる
フォロワーシップの効果<個人的効果>
- 指示待ち的な姿勢が、自律的に考えて行動する姿勢に変わる
- 人間的な好き嫌いに依存することなく、上司と仕事をするようになる
- 上司の立場で考えることにより、マネジャーとしての予備的訓練になる
- 上司からの評価が向上して、より大きな権限を獲得することができる
- 一匹狼的な動きが、他メンバーと協働する動きに変わる
企業の年代層別に見てみると、ロストジェネレーション世代の中堅層、ゆとり世代の若手層など、リーダーにはなりたくないと思っている社員が多く、彼らにリーダーシップを過剰期待すると不適応を起こします。
組織の人員構成上突出しているバブルミドル層で役職者として昇格できていない人たち、また役職定年を迎えて過去の自分の成功体験をどのように活かせばいいのか逡巡している人たちの多くは、モチベーションダウンとチーム不関与の状態に陥っています。彼らにリーダーシップを期待しても、それは自分の仕事ではないと反発が生じるでしょう。
よって、彼らに求められているのは、フォロワーシップです。