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日本もの造り哲学 [D4.経営戦略]

日本のもの造り哲学

日本のもの造り哲学

  • 作者: 藤本 隆宏
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2004/06
  • メディア: 単行本

   日本企業が得意の「摺合せ型」と米国のそれが得意な「モジュラー型」という切り口で、話が展開されます。「摺合せ型」が「モジュラー型」を制したはずが、インターネットの世界に入ると、オープンモジュラー型のデジタルネットワーク財が経済を牽引する時代になり、これと相性のよいアメリカの企業、そして経済はふたたび強くなった。中国は「疑似オープンアーキテクチャー」でのしがった。と論じています。

  著者は、日本企業への提言として、「戦略を理解する技術屋」と「技術者と有意義な対話のできる事務屋」を同時並行的に育てるべきだと言っています。まさにMOTを学べということですね。

  さて、シニア教育にも提言しています。企業には、物づくりを現場で修得している野武士のようなシニアがたくさんいる。企業によってはこのノウハウが欲しいところはたくさんあり、その産業を超えた知的移転が必要である。今、このミスマッチが起こっている。それは、そういうシニアは物つくりのベテランではあるが、インストラクターとしての教育を受けていないのと体系だった教科書がないからだということです。

  よって、そういう能力をきちんと伝播するような仕組みが必要だと説いています。

メディア掲載レビューほか

日本のもの造り哲学
 ものづくり経営研究センター長を務める東京大学大学院教授・藤本隆宏氏が「もの造りの現場から発想した企業戦略」を論じた書。ここ10年ほどで浮上した日本製造業の危機を煽る諸説やその間に続々と流入した“ヨコ文字の経営手法”には違和感があると言う。日本のもの造り企業に足りないものがあるとすれば、それは己の組織にマッチした戦略だと指摘。もの造りの現場すべてに存在する「設計」を軸に見直しを図り、打開策を見いだせと言う。 「製品とは設計者による基本情報がモノ(媒体)と結びついたカタチである」と考えれば、マーケティングから生産、販売に至る道筋は「設計情報が循環する過程」だと言える。顧客が消費しているのは、基本的には設計情報なのだという考え方に立って、良い製品とは然るべき「アーキテクチャ(設計思想)」を内包するモノだと解説する。  企業には設計情報を上手に創造し、さらに媒体とベストの状態で結合させる技量が求められる。これを著者は「もの造りの組織能力」と呼ぶ。組織能力にはそれぞれ個性があり、個性とアーキテクチャには相性が存在することを示す。強い製造現場を持ち、高い収益性を確保している企業の多くは、独自の組織能力と設計思想のバランスが良いと指摘している。
84 books in 2013

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