SSブログ

コロナ危機と日本経済 [D1.政治・経済・社会]

今日、「寺島実郎の日本再生論」という番組をテレビでやっていました。日本経済でもともと脆弱で、このコロナ危機でその構造的欠陥が露呈するというものでした。

2008~2018年の平均GDP成長率は、平均でたったの0.8%だそうです。今年は、マイナス数%になる予測です。


日本の生産性の低さは実感します。20世紀後半には、そういう事は言われていませんでしたね。日本は変わらないといけないと思います。


私が思うに、まずは、公官庁、学校、病院のデジタル化や柔軟な働き方などによる生産性のアップをまずはやるべきだと思います。公官庁のオフィスは紙が山積で昭和で止まっている感じですものね。これは、やはり、お役所は、私企業のように損益の概念が少ないので、「税金で成り立っているので、オフィスに金をかけられない」とかという勘違い発想が蔓延しているのだと思います。私企業が、オフィスを近代化するのは、贅沢をしたいのではなく、生き残るために生産性を上げるためでした。この論理が、公官庁にもあると自然とオフィスも近代化しないでしょうし、働き方も変えないといけないという事です。これだけでもかなりの改革になり、イノベーションができる環境になると思います。


次に、「人材の流動化」はイノベーションには必須と思います。いろんな考え方を会社に集めると、新しいやり方を実践できたりしますからね。これには、転職ももっとやりやすくする、解雇も採用ももっと容易にすべきです。これは、終身雇用の終焉を意味します。もともと米国も終身雇用だったそうですが、日本の製造業が米国のそれを崩壊させた時期から、米国は終身雇用を終焉させたそうです。同じ時期になったということですかね。これをやらないと、社員は安定のみを求め、自己啓発等をやるインセンティブが減っていきます。何故か、あの勤勉な日本人は、勉強しない日本人になりつつあるということです。


勉強と言えば、「英語」です。20世紀後半は英語は大切だという事で英語、英語と言っていた割には、皆、英語ができません。東大生でも英語ができない人がたくさんいるのは呆れます。途上国は、大学の授業がそもそも英語だったり、英語ができると報酬が全然違うので、高等教育を受けた人での英語ができる人の割合は日本より非常に高いです。そもそも英語ができないと海外の文献も読めませんし、イノベーションを起こす事も難しくなります。


次は、「ダイバーシティ」です。20世紀後半は、安くものを作ると言う事が一番のビジネスモデルだったので、軍隊式が一番やりやすかった方法でした。よって、体育会系男子だけで組織を軍隊のように上下関係を厳しくやっていくやり方で業績を伸ばしましたが、このような同じような価値観の人たちだけだけだと、当然、イノベーションはおこりにくくなります。GAFAが飛躍的にイノベーションを起こし続けているのは、英語さえできれば、どこの国の人も優秀であれば迎えいれ、働き方も柔軟にしたからだと思います。日本企業は、まず、外国人を活用できない決定的なハンディがあります。また、女性、LBGT,障がい者の活躍推進も他先進国に比べて遅れていると言わざる終えません。


最後は、「規制緩和」ですかね。学校のオンライン授業を阻害しているのは著作権の問題とかがあるそうです。いろんな法令が、現在のデジタル化などを想定していない時代に制定されたものなので、今は理不尽な規制がたくさんあります。こういうのは、既得権益のなども絡み、なかなか規制が緩和されませんが、国を成長させるために、もっと迅速にやるべきです。これには、ダイバーシティとか上記の施策を行う事が大切なのかもしれません。


現在の日本がバブル崩壊後、「失われた30年」と言われ、その原因は上記だと分かっていながら、何故日本は変われないのでしょうか。会社が本当に倒産寸前でないと企業改革は成功しないと言われているように、本当に、皆が「日本がヤバイ」と危機感をいだかないと上記の施策は緩やかにしか行われないという事です。日本人は、「明治維新」も「戦後」も、大きな改革を行い急成長をしましたが、当時は、本当に大きな危機感があったからでした。


山一証券が経営破綻をする時に、当時の経営企画部がかなり前から警告をしていたにもかかわらず、社員には、その意識は薄く、その前年の忘年会で「もしかして、来年会社ないかもしれないけど、カンパ~イ!」とやった翌年に倒産したそうです。


ソフトバンク、楽天、ファーストリーテイリングのようにオーナー社長が有無を言わさず、トップダウンで厳しい改革をするしかないのですかね。企業はそれでいいかもしれませんが、国となると、中国やロシアなどのやり方になるのでしょうか。これはこれで、非常に問題があると思います。上記の施策を政府の動きが鈍い時こそ、野党がそれを推進させるように働きかけるべきですよね。しかし野党が、この痛みの伴う改革を主張するとも思えないですよね。受動喫煙規制法案でも政府の時代錯誤の緩い規制提案の時こそ、野党が一斉に厳しい規制を求めるべきであったのに、野党も支持層の保護かなにかで弱腰だったのは非常に情けないかぎりでした。


野党は、レベルの低い糾弾しかしていないのが現状ですので。ここが、今、日本の一番の問題なのだろうなと思います。


nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。