リーダーシップ3.0 [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
リーダーシップ3.0――カリスマから支援者へ(祥伝社新書306)
- 作者: 小杉 俊哉
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2013/02/02
- メディア: 新書
●部下に弱みを見せてはいけないと、本来の自分に仮面を被り、強がって見せる上司は非常に多い。これでは、部下との信頼関係を築くことはできない。
●ドラッカーのリーダーの定義:マネージャー=物事を正しく行う(Howが課題)リーダー=正しい事を行う(Whatが課題)。
●9.11(2001年)がリーダーシップに与えた影響:相手を力でねじ伏せるブッシュのやり方に世界は違和感を覚えたし、時代に合わなくなったと考え出した。
●80年代に開発されたコンピテンシーは、属人性を排除し、あるポジションを誰がやっても成果が上げられるような共通した行動特性であり、それがあれば、誰であっても同じ報酬が得られるといいうものである。これは、日本的人事評価の徹底分析から生まれた。
●リーダーシップとは、部下がいようがいまいが発揮できるもので、「自律」か「他律」かということである。環境のせいにするか自分をコントロールできるかの差。他律的な人はリーダーシップが取れない。
●サーバント・リーダー:「東方巡礼」Byヘルマン・ヘッセ→巡礼の団体の旅にある若者が召使いとして参加したら、皆、彼なくしては結束できなくなってしまった。実は、彼がリーダーであった。また、「アラジンの魔法のランプ」に出てくる魔人は「ご主人様、お呼びですか。何をお望みで」と尋ねるように主人に仕えた。本当に必要な時、助けを求めた時には必ず出てきて望みを叶えてくれる、という姿。これは、日本企業の昔の理想的な管理職像ではなかったか。今のようにプレーイング・マネージャーではなく、昔は管理職として、暇そうにしている上司ほど理想とされていた。普段は、頼りなげで、暇そうにしていても、いざという時は助けてくれ、責任も取ってくれる。昔は日本のどの企業にもいたタイプなのではないだろうか。
●セオリーU:過去からではなく出現する未来から学ぶ
●HCL Japanはインド人が半分。日本人は、英語の問題、キャリアを自分で切り開くSEがいないから。
●NHKスペシャル「変革の世紀 第2回 情報革命が組織を変える?」 2002年5月
●40代前半といわれる発達心理学の「中年の危機」いままでのやり方が通じなくなる時期。
●米企業では役員になってから、最も厳しい外部研修を受けることになる。CCL(Center for Creative Leadership)のLAP(Leadership At the Peak)でフィードバックを受ける。
●英国では、IOD(Institue Of Directors)という取締役の資格認定機関がある。上場企業の役員の過半数がこの資格を持っている。
●米国は70-80年代に、日本企業に米市場を席巻されたことに危機感を抱き、「経営者が技術を知らず、技術者が経営を知らないことが日本に勝てない理由」と結論づけ、全米の大学がMOTコースを設置し、活性化させた。
●日本人は意外にグローバルえリーダーシップを発揮できるかもしれない。なぜなら、日本人は宗教的偏見がない、傾聴力がある、私利私欲に走ることがなく、全体最適を優先することができる。明治以来、他国の文化を取り入れ、融合させたスピードが速かった。そして、根底には武士道というものを持っている。
内容紹介
中央集権型のリーダーシップ1.0、変革型のリーダーシップ2.0を経て、現在必要なのは支援型のリーダーシップ3.0だ。本書では、この3.0型のリーダーの特徴や条件、そして実際にどのような企業で実践されているのかを見る。実は、永平寺が長らくこの3.0的運営をしてきたなど、日本はリーダーシップ3.0に向いている国なのである。新たなリーダーの可能性を、この一冊に探る。
3Dプリンター銃 ~あなたはこれを想像していたか~ [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
3Dプリンターでバレンタインデーに自分のチョコレートのフィギャを作るなんて話を聞いて、「へー、3Dプリンターってそういう使い方もあるんだ」って関心していましたが、そんな平和ボケな事を言っている場合ではなくなってきました。なんと銃までつくれてしまうそうです。
樹脂製だそうですが、殺傷力もあるとのこと。今まで、日本では銃の所持は非常に厳しくコントロールされており、ヤクザが海外から密輸入みたいなこと以外銃を所持することができなかったのですが、3Dプリンターがあればだれでも手に入れられるようになったわけです。また、樹脂製なので、飛行機の中に持って行けてもしまうそうです。これだとテロを防止できなくなります。
「樹脂製3Dプリント銃、金属探知機で検知できず」読売新聞
このように、イノベーションは、想像できない、していない事を現実化させます。「常識」にとらわれないことが重要ですね。
しかし、本当に頭を柔らかくしておかないといかんと思いました。
発想する会社 The Art of Innovation [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法
- 作者: トム・ケリー
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2002/07/25
- メディア: 単行本
10年以上前の本ですが、今読んでも示唆に富んでいますね。デザイン会社で従業員もそれほど多くない組織でのやり方ではありますが、自由な雰囲気がイノベーティブなアイデアを出すきっかけになるという根底の考え方は普遍的であると思います。
●難しい判断や理解できない問題で行き詰った時には、自分が知っている限り頭の切れる人間に相談するのが、問題解決のためのネットワーキング・アプローチだ。
●IDEO・U(IDEO大学)
●アマゾンのジェフ・ベゾスは、オンライン販売事業をやろうと思い立った数週間のうちに、仕事を辞め荷造りして、行き先を決めずに、荷物をトラックにつめこんだそうです。
内容(「BOOK」データベースより)
ライフサイクル・イノベーション [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
ライフサイクル イノベーション 成熟市場+コモディティ化に効く 14のイノベーション
作者: ジェフリー・ムーア 出版社/メーカー: 翔泳社 発売日: 2006/05/16 メディア: 単行本
「タイガーウッズにコアとコンテキストの間でどのように時間配分をすべきか問われたら、あなたはどのようにアドバイスをするだろうか?。
「自分の時間をすべてコアに集中させて、コンテキストは誰かを雇って任せればよい」
と助言するだろう。だが、ウッズが反論する。
「僕の収入の90%はコンテキストからのものなんだ。コアからではない。それでもコンテキストには時間を使うなというのかい?」
あなたは自信を持って言うだろう。
「もちろんだ。コンテキストから得た収入で、よりコアにフォーカスすべきだ。それが最終的に最も効率的な道だ」フォーカスと優先順位、これが差別化のためのイノベーションの課題だ」
理想的にはそうだが、現実はこうならない。
内容紹介
キャズムを越え、トルネードに乗り、成熟市場で企業が陥る「成功という惰性」に打ち勝ち、企業が成長し続けるための適者生存のイノベーション戦略!
グローバリゼーション、規制緩和、コモディティ化が至るところで影響力をもたらし、企業がイノベーションを起こさなければならないという圧力が高まっている。
◆自社のコア・コンピタンスがもはや差別化要素でなくなった時に何が起こるか?
◆新しい領域に経営資源をシフトするためにはどうしたらよいか?
◆イノベーションに抵抗する慣性力にどう対応すべきか?
◆組織のエネルギーをイノベーションに振り向けるためにはどうしたらよいか?
本書はこれらの問いに答え、どうすれば企業が永遠に進化を継続できるのかについて論じる。
具体的には14種類のイノベーションについて論じ、それらをどこに、いつ、どのように適用していけば企業が生存競争に勝ち抜けるのかを示す。自然界の生態系と同様、市場においても自社の状況に適切なイノベーション・タイプを選択し、競合他社との十分な差別化を実現できるよう活用して、それぞれの市場セグメントで成長していけることを解説する。テクノロジー企業を中心とした100社を超える事例をもとに、成熟市場でもイノベーションは可能であることを提示する。
39 books in 2014
世界が絶賛する「メイド・バイ・ジャパン」 [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
世界が絶賛する「メイド・バイ・ジャパン」 (ソフトバンク新書)
- 作者: 川口 盛之助
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2010/12/18
- メディア: 新書
先日講演を聞いた川口盛之介さんの本です。
●ビル・ゲイツ一人の富が、アメリカの下層四割もの人々の総収入と同じ。少数の人が過剰な利益を手にするようになると、そのような資金はもともとアブク銭ですから、投機的な運用先に回り始める。アメリカがベンチャーを生み出し続ける基本構造はここに起因する。
●古き良きアメリカを支えていたのは敬虔なプロテスタンティズム、勤勉さを尊ぶ土壌がありましたが、現世利益のパワーの前に機能しきれていません。ソ連もまた、負け組・労働者階級の解放を国是として、持たざる者の魂の解放を図ったわけですが、志半ばで挫折してしまいました。その中で死角をつくように登場したのが、極東で平和を謳歌する爛熟大国ニッポンから発信されるポップ・カルチャー(癒し系やらヘタレ系など)です。最近、アメリカで「ドラエもん」がやっと放送許可を得たそうです。アメリカの子どもたちには、あのノビ太の「ヘタレ感」はよくないという事だったそうです。
●Japan EXPO来場者数推移
●キーマンは二代目世代: 今の若者は江戸時代でいうと家光で、最初から貴族のように育ちました。それに比べて、一代目の家康は、ストイックであり、現代日本でいうと団塊の世代といえるかもしれません。その両方をしっている二代目、秀忠(現在で言うと、昭和30-40年代生まれ)の役割は非常に重要です。なぜならこの世代は、「根性系」や「ヘタレ系」という相いれない二つの価値観を知っているからです。よって、我が国の将来の持続的な発展の鍵は、この「秀忠機能」の充実です。
●「日本人の脳」
漢書やお経のように、暗唱して諳んじて言えるような文章を、声を出して読むという行為は、実は日本語で考える脳をリラックスさせるのに最も効果的な手順である。
内容紹介
日本のモノづくりは新しいステージに突入した。「クール・ジャパン」の称号を勝ち得たいま、どこで作られたか(メイド・イン・ジャパン)ではなく、誰によって作られたか(メイド・バイ・ジャパン)がより重視され、日本独自の文化的背景を持つ製品やコンテンツが世界で絶賛されている。
日本のモノづくりの何がウケているのかを紐解いてみると、我々が気付いていなかった、世界市場における新たなビジネスチャンスの発見にもつながるだろう。
戦略的に商品機能に込めるべき日本らしさを5つの商品企画ビジョンに抽出し、多くの具体例を用いてわかりやすく紹介する。
日本の強みを再確認できる手引書。
●日本が生き残るための5つの商品企画ビジョン
◎”道具への愛着を”取り戻せ
商品は単なる機能提供手段ではない
◎ユーザーに”いじられてなんぼ”
完成品を提供する時代ではない
◎”心の安寧”のために仕える道具
作業効率改善のための装置の次にあるもの
◎”弱者”を救う正義という動機付け
悪を倒す強者の正義はない
◎身の回りの”こちら側”目線
統治者のあちら側ではない
オタクで女の子な国のモノづくり [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
「オタク」というサブカルチャーが流行り出したのは1980年代頃からでしょうか。アニメを中心として流行り出したりした事もあり、少々退廃的な「キモイ」雰囲気を醸し出していました。
しかし、「コスプレ」などこの手のやつがどんどん出てきて、アニメは海外でも人気を博するようになり、このオタクなサブカルチャーはしっかり日本に根付きました。私もこんな恥知らずのように見える文化が世界中の若者を魅了するなんて思ってもいませんでしたね。
学校の制服の着こなしから、ギャル文化的なファッションやコスプレなどは、他国ではみない文化で、ユニークさは抜群にあります。
こういう文化を醸成する力は日本にはあり、それを武器にするべきだと筆者は言います。
この文化の発生から定着、海外への拡散まで、私はリアル・タイムで経験した事になりますが、そこには、その時、その時の若者の熱い情熱(パッション)が常に、彼らのクリエイティビティを刺激していたとみることができるでしょう。
実際には、アニメの中の深いストーリーや、異次元のファッションに感じるコスプレなどのクリエイティブです。
●「見せたい自分の虚像と現実の自分との間にあるギャップ」に悩むのが「恥ずかしい」の本質。
●恵比寿や代官山では、ペットのレンタルビジネスが大盛況。
●日本語とポリネシア言語を話す人は母音で判断するので左脳部分が優秀になる。
●今の「女の子っぽさ文化」は、「平安文化」「元禄文化」に続くもので、天下泰平の時代に生まれる。
内容紹介
麻生太郎首相も「日本のサブカルチュアの潜在力を活かす知恵がギッシリ詰まった1冊」と絶賛!
トイレで用を足すときの音を擬音で消す「音姫」。
精巧きわまりない人型ロボットの「ASIMO」。
世界的なステイタスシンボルとなったハイブリッドカー「プリウス」。
……といったユニークな製品を、なぜ世界中で日本のメーカーだけが作れたのでしょうか?
その秘密は日本が世界に誇る「オタク的な文化」「女の子的な文化」にある、というのが、気鋭のコンサルタントで若者文化を深く愛する著者の答えです。
そして、今後、日本のモノづくりと経済を完全復活させるには、「萌え」や「ギャル系」のパワーを生かした製品開発を進めるしかないと、豊富な実例を挙げて明快に指摘します。
MAKERS [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
今日は、クリス・アンダーソン の講演を聞きました。
「21世紀の製造業は、アイデアとラップトップさえあれば誰もが自宅で始められる。今日の起業家は、オープンソースのデザインと3Dプリンタを使って製造業をデスクトップ上で展開している。ウェブの世界で起こったツールの民主化が、もの作りの世界でも始まった。メイカーズ(モノ作る人々)の革命が、世界の産業構造を再び変える。 これが第三次産業革命で、デジタル・マニュファクチャリングとパーソナル・マニュファクチャリングが一体となって起こる。」と内容です。
つまりアイデアさえあれば、そのデザインをフリーのCADソフトで3Dにして、3Dプリンターやレザーカッターを賃貸しているところで借りて、自作することもできるし、代行生産してくれるところに、そのCADデザインを送れば、少量でも大量でも生産してくれる。Webにその販売サイトを立ち上げ、ペイパルのような課金代行サービスを利用すれば、自宅の机の上で、製造販売業が始められるということです。
実際に、彼は、「3D Robotics」という会社(従業員6人)を立ち上げ、こういうクアドロコプターを作っています(訪問記)。「おもちゃ じゃん」という方もいらっしゃるでしょうが、この分野は、今後いろいろなところで実用化される可能性が高いのですよ。既に、アマゾンがプライム・サービス「Prime Air」として使おうとしています。
クリスは、講演で、新興ネット企業が様々なビジネスを起こし始めたように、製造業の世界でも技術やサービスの進歩により、大資本でなく個人レベルで物づくりや起業ができるようになった。大切なのは「物つくりへのパッション(情熱)」だという事でした。
なんでも自分のフィギャーなんてのも簡単につくれるそうで流行っているそうです。
愛犬のフィギャーでもつくろうかなと思います。
Chris Anderson: Makers - The New Industrial Revolution
30 books in 2014
まんがでわかる7つの習慣 [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
内容紹介
第2の習慣では「終わりを見据えて選択し、行動していく」ことが必要。
第3の習慣は「最優先事項を優先する」ことで、やりたいこと・やらなければいけないことの線引きをする。
第4の習慣は「人間関係で両方勝ちの関係を構築していく」こと。
第5の習慣は「自ら話すよりも相手の話を聞くことを重視する」こと。
第6の習慣は「違いを尊重することで新たなものを作り出す」ということ。
第7の習慣は「日々、自身を鍛錬する」ことで有事に備えるということである。
ビジネス・キャリア検定試験 [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
厚生労働省所管の特別民間法人の中央職業能力開発協会が認定するビジネス・キャリア検定試験です。ビジネス・キャリア検定試験は、事務系の職業についての職務を全て網羅し、職務・能力レベルに応じて体系化した区分(45単位)ごとに、それぞれの職務に必要な専門的知識について、単に専門知識を知っているか否かではなく、「実務に応用できるか」という視点から行われるそうです。
3級が係長を目指す人、2級が課長を目指す人向けだそうです。人事は「人事・人材開発」と「労務管理」の二種類あります。過去問があるので、ちょっとやってみて、自分の理解度をチェックするといいと思います。この試験、結構よくできていて、しっかり理解していないと、正解を選べません。ちなみに、私は、「人事・人材開発3級」をやってみました。68点でした。一応、60点以上なので合格ですが、少々、情けない点数です。労働法関連が弱いですね。ってな具合に、こういうテストをうけるとどこらへんが弱いかわかるので、今後の学習で注力すべきポイントがわかります。面白そうなので、ちょっと、片っ端から、テスト受けようと思っています。
また、一般社会常識をテストする「日経テスト」も有名ですね。これも、やってみましたが、かなり難しいです。アセスメントで、「もっと視野をひろげなさい」とかのコメントをもらいました(涙)。
CSR検定とかもあります。
こういう資格を習得するというよりも、その過去問を解いたりして、自分が何を知っていて、何を知らないかを自分で認識しておくのは重要だろうと思います。そして、それをいつ習得するのかという計画も当然ながら必要です。
NAVERまとめ「ビジネスマンの能力アセスメント」
ビジネス・クリエーターの養成方法 [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
企業に入社して最初の10年間で専門性を身に着け、その道のプロになるというのが、最初のキャリアパスで最も重要な事だと思います。
それ以後は、管理職の道を歩むというのが高度成長期の伝統的な20世紀型の日本企業のキャリア・パターンでしたが、今は、イノベーションを起こしたりして新しいビジネス・モデルを構築したりして、常に会社に変革を起こして成長していかなければならない21世紀には、管理職だけでない、もう一つのキャリア・パスがあると思います。
それは、ビジネスを起こす職種です。ビジネス・イノベーター、インテグレター、プロデユーサー、クリエーター、社内起業家(アントレプレナー)など様々な名称で呼ばれますが、皆、社内で新たなビジネスを起こすという事に関しては同じです。
こういう人たちは、社内の資源(技術、人)などをうまく組み合わせて、新しい付加価値を生み出すということをするので、自分の持っている専門性とは別に、幅広い知見、ネットワーク、コミュニケーション能力などを必要とします。専門性をIで示し、他の能力を-で示すと、ちょうどTの字になるので、「T字型人材」と言われたりします。
自分の専門性を確立して、Iが一定の長さになったら、次は、横棒を伸ばす事が必要です。Iの上に-をくっつけて伸ばすわけですが、最初の10年で、専門性を確立しているときに、-がくっつくためにIを釘のような形にしておくことが重要です。
釘の頭の部分が、「コミュニケーション能力」です。ここが弱いと、横棒をいくら伸ばしてもくっつきません。つまり、社内資源を組み合わせて、新しい付加価値を作り上げる時に、コミュニケーション能力がないと、絶対に成功しません。
さて、それでは、10年で専門性とコミュニケーション能力をもった「釘型人材」がどう「T字型人材」になっていくかです。
ひとつの方法が「視野を広げる」というやり方です。「目から鱗」の話を聞いたり、体験したりして、いろんな事に興味を持ちだすと、後は、自然と自分で学習したり、チャレンジしたりするようになると思います。
今、巷では、「新興国研修」なるものを、研修会社などが一般の人や企業にオファーしています。これは、インドなどの新興国などに2,3週間いき、現地でビジネスのネタを探して、発表するというような研修です。こういう国は、先進国とは、いろんなところで違うので、「なぜ違うのかな」という根本を考えないと理解できないわけです。そういうプロセスを経て、「思考する」訓練をし、また、「視野を広げる」こともします。
さて、この「視野を広げる」という能力開発を、馴染みの少ない「新興国」を材料にして、自己開発するという方法を考えてみましょう。
ます、新興国BOP(Bottom of Pyramid)の考え方です。これは、新興国にCSR(社会貢献)をするときに、寄付などして貢献しようとしますが、それよりもCSV(Creating Shared Value)という、その地域の人の本当に求めている価値を発見し供給するビジネスを開発すれば、BOPとなり企業は巨大なビジネスを構築できるし、CSRよりも大きな貢献ができるという話です。
ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略 (ウォートン経営戦略シリーズ)
- 作者: C.K.プラハラード
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2005/09/01
- メディア: 単行本
未来をつくる資本主義 世界の難問をビジネスは解決できるか [DIPシリーズ]
- 作者: スチュアート・L・ハート
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2008/03/18
- メディア: ハードカバー
さて、次にこの考え方を、もう少し、ビジネス理論に翻訳したのが、「リバース・イノベーション」です。これは、新興国のビジネスを先進国にも適用できるという話がありますが、「新興国」「先進国」の言葉を省き、あるビジネスを他のビジネスに利用するなどの方法も頭に浮かぶようになります。「バングラデシュのコレラに対する民間療法で塩水に炭水化物と糖を加えると体内への吸収が速くなり、患者は素早く水分を補給することができる。これをフロリダ大学の医師がみつけ、ゲータレードができた。」なんて話は、目から鱗ですよね。
「リバース・インベーション」は、新興国のユーザーが何に価値を置いているかが重要なので、それを発見することが必要であると説きます。その時に、どう発見するかですが、「行動」をどう「観察」するかの能力も必要になります。
いろいろな行動観察の方法があると、上記本は述べていますが、文化人類学にのっとた「エスノグラフィー」も有益な方法だと思います。混沌とした現実の事象をいかに「概念化」するかという方法です。
ここまでを理解したら、自分で何かのテーマを決め、休みを利用して、そういう新興国に行って、街をじっくり観察してみたらどうでしょうか。安い飛行機、ホテル、レストランを選べば選ぶほど、現地の人と話す機会が増えるので、いろいろ観察できる機会も増えると思います。
15 books in 2014
「行動観察」 [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
ちょっとエスノグラフィーと似ていますが、じっくり観察して、分析するという「ビックデータ」解析と対局の方法です。私は、行動観察で仮説を立てて、ビックデータで理論づけをするといいのではないかと思いました。たしかに、愚直にじっくり観察するということを怠りがちだなと思いました。
内容紹介
★ビジネスパーソンの閉塞感を「行動観察」で打ち破る!
言葉は語らない、行動はすべてを語る
■アンケート調査やグループインタビューで語られない本質
■ビッグデータではわからない「なぜ」「どうして」をつかむ
■高齢者が本当に求めているものとは?
■中国人観光客が買い物に時間をかける意外な理由
■サービス業でスタンダードを作るためには
■工事職人と顧客満足度の向上に取り組む
■「行動観察」は仮説を生成する科学である
行動観察は、既存の枠組みの中で正解を出すための手段ではない。答えが存在するかどうかさえもわからない「どうすればいいのだろう?」について、ソリューションを創る方法論である。(「はじめに」より)
本書は、読者のみなさまに「読んでもらうため」の本ではない。読者のみなさまに「行動を起こしてもらうため」の本である。この本を執筆したのは、評論家としていろいろと発言してもらうためではない。あくまでも、あなたに「知的な勇気」を持ってアクションを取ってもらうためである。本書を読み終わったあなたは、今すぐにこの本を机に残して、外に出てほしい。
さまざまな人に接し、理解し、そして自分を知ることで、さっそく誰かを喜ばせよう。(「おわりに」より)
アンケート調査やグループインタビューをもとにして製品・サービスを開発しても、常識のワクを超えることはできない。なぜなら、真の課題やニーズとは、言葉にできない、本人すらも気づいていないものだからだ。現場で観察した行動からソリューションを導き出す画期的新手法。
「つながり」を突き止めろ [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
「つながり」を突き止めろ 入門!ネットワーク・サイエンス (光文社新書)
- 作者: 安田 雪
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/10/15
- メディア: 新書
●ネットワーク・サイエンスは、米国陸軍研究所において、テロリストの割り出しのために官給されている。
●電子メール送受信データで社内ネットワークが俯瞰されるが、プライバシーなどの問題で容易ではない。しかし、日立とコクヨが組んで、企業の情報伝達システムの運用、フロアレイアウトの変更提案などと抱き合わせた、組織改善コンサルティングも始まった例もある。費用は、一件、1,000万円。他にフジゼロックス、IBM,野村総合総合研究所。
●メール分析では、ハイパフォーマーほどポジティブな言葉を多用している。また、「お願い」表現と「感謝」表現の二つが行き来している人同士を結ぶと信頼・協業ネットワークがみれる。そして、ハイパフォーマーは、そのブローカー(仲介者)となっている。
●スモール・ワールド現象small world phenomenon:知り合い関係を芋づる式にたどっていけば比較的簡単に世界中の誰にでも行き着くという仮説である。あえて日本語にすれば(広いようで)「世間は狭い」現象である。6名と言われている six degrees。
●エイズ撲滅キャンペーン;「カレシの元カノの元カレを知っていますか」
●新型インフルエンザの感染もネットワークによる。
●人間関係認知能力
著者について
関西大学社会学部教授。1963年東京生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。コロンビア大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。東京大学ものづくり経営研究センターなどを経て現職。組織や社会集団を中心に、分野横断的にネットワークの構造と影響を考察する「社会ネットワーク分析」に四半世紀、従事。理工系研究者、企業との共同研究も多数。関係構造の解析以上に、見える化した関係の解釈と、その見えざる影響力の解明に力を注ぐ。2008年より京都在住。著書に『ネットワーク分析』(新曜社)、『人脈づくりの科学』(日本経済新聞社)、『大学生の就職活動』(中央公論新社)など。
人脈づくりの科学 [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
●社会人で、自分の仕事の効率を下げている人は「上司」という答えが一番で、若い人ほど多い。
●日米とも、同じ派閥などのネットワークよりも、「分散的多様性ネットーワーク」を持っている人のほうが評価される。
●「シンプソン係数」自然言語処理における係数の一種で、XというキーワードとYというキーワードが同じページや同じ文書内で出現する(共起する)場合の頻度の強さを表現する指標として使用される係数のことである。主にWebなどの大規模文書において採用されている。
例えば、検索エンジンを使って「りんご」「みかん」と検索した場合、仮に「りんご」というキーワードの検索結果が5,830,000件、「みかん」というキーワードの検索結果が5,370,000件、「りんご みかん」という検索条件の検索結果は1,970,000件ヒットしたとする。この場合、「りんご」と「みかん」に関するシンプソン係数は、以下のように求められる。simpson(X,Y) = 1970000/min(5830000, 5370000) = 0.366852886なお、一般的には、シンプソン係数が高ければ高いほど、両方のキーワードの相関関係が強いと推定される
内容(「BOOK」データベースより)
ソーシャル・ネットワーク - SNS [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
ソーシャル・ネットワークというと、日本人は、7世紀後半から年賀状を送ったりしていたそうです。暑中見舞いも江戸時代前からだそうです。欧米もクリスマスカードとかいう習慣があり、人類は、ネットーワークを重要視していたのですよね。
私も昔は年賀状とか出していました。でも結構手間がかかります。90年代半ばくらいからPCで、住所録を登録したりして、かなり便利になりました。その後、メールが普及しだして、メルアド持っている人には、メール。その他の人は、年賀状を出すとかいう時期があり、ここ数年は、もう年賀状も出さなくなりました。せいぜい、Face Bookで「おめでとう」といういうくらいですかね。
今までは、ずっと会ってない人に、年に一回くらいは、年賀状とかで、つながりを維持していたと思いますが、今は、Face Bookとかで、ずっと繋がって、近況も知っているので、わざわざ、確認する必要がなくなってきたのでしょう。
ネット社会でのネットワークの変化ですね。最近は随分便利になりました。普段合わない人でも、いつでも簡単にコネクションができます。
さて、そういう事をつらつら考えていると、自分のソーシャルネットワークの歴史を振り返りたくなりました。最初にUemura's Worldというホームページを作ったのが1998年(41歳)です。結構、Updateには労力かかりました。このころは、いろいろ活動していたので、それのお披露目的な発信でしたね。当時、自分のホームページ持っている人は、凄くまれでした。4年くらいやったのかな。
ホームページの更新もだんだんおろそかになった2006年10月(49歳)からブログに切り替えました。これは、今でも書いています。もう2,200話、百万アクセスを超えています。
それから2010年7月(53歳)からFace Bookを始めました。若い人は千人くらい繋がっているようですが、私は今のところ267(会社日本100、海外100)ですね。今までは、繋がりリクエストをもらった人だけと繋がっていましたが、今後は、こちらからも積極的につながっていきたいと思います。そうすれば、近況を伝えたい、知りたい友人・知人とは、皆繋がれます。もう、FBは、大分、ポピュラーになってきましたので、そういう使い方ができる時期です。
2013年6月(55歳)からLinkedinを始めました。コンタクトは、まだ29人です。
これが、私のSNSの歴史です。
今のそれぞれの使い方は、まず、Face Bookですね。これは、旅行、イベントなどの時に写真を撮り、もっぱら、写真ホルダーのような使い方をしています。それと、友人、知人の近況を知る、後は、彼らから面白いネタを教えてもらうという使い方ですね。
そして、その私的なイベントなどをブログにアップします。FBの写真は、リサイズされているので便利です。また本を読んだらその要点を書きとめたり、ゴルフのスコアをつけたりという記録をつける目的と、何か感じたことをつらつらとブログにランダムに書きます。雑記帳のような使い方です。ほぼ毎日つけています。「書くネタがない=何も活動していない」ということになりますので、自分の活動Logを分析できるということにもなります。
そして、そのネタを基にして、会社用のブログを書くというのをもう5年間しています。
この一連の活動は、自分の思考を言葉にするというプロセスなので、非常に役に立ちます。頭の中で考えていることは、いったん外にだし、文章化すると非常に整理され、思考が堂々めぐりせず、新たな考えは、前の結論からスタートできるので、思考の整理に非常に役に立ちます。また、会社のブログには、それに対する、コメントなどをもらえるので、さらに思考を広げれるメリットがあります。
そして、今、使い方を掘っているのが、Linkedinです。これは、以前から知っていたのですが、転職するための履歴書を送るサイトだと思っていましたので、ちょっと引いていました。しかし、コンセプトはそうではなく、ビジネス上の真面目なネットワークの場のようです。
このサイトのメリットは、まず、履歴書をフォーマットに従って書けるということです。転職しない、していない人は、履歴書書いた経験がありません。しかし、これで書いてみると、自分のキャリアが棚卸できます。しかも、表彰やボランティアなどの項目などもあり、意外と、自分の履歴がたいしたことがない事を痛感できたりします。他の人の履歴もみれるので、どういうふうに書くと自己PRができるのかの勉強にもなります。そして、それは、将来の行動にポジティブな影響力が出てきます。次に、ネットワークです。まずは、会社の同僚と繋がるのでしょうが、彼らの履歴書もみれ、知らなかった事を知るので、より深い理解ができます。次に、会社を辞めた元同僚と繋がると、今、彼らが、何をやっているかもわかり、意外にその業界の事などを聞いたりできるかもしれません。
一番やっかいなのが、それらの友人と繋がっていて、自分が知らない人からのつながりリクエストです。ネットワークを広げたいのであれば、つながるのも手でしょうが(先方はそう思っています)、自分に必然性がないと意味がありません。大学の教授とかであれば、なんとなくいいかなとか思いますが、そうでない場合は、ちょっと悩みますね。今のところHoldにしています。繋がると、何か発信している人は、その記事が自動で入ってきますので、その記事が有益な場合は、つながるメリットがあります。
また、非常に著名な人、例えば安倍首相やジャックウェルチなんかも使っています。彼らは、このツールを利用して、いろんなことを発信しています。それをフォローするということもできます。
これをビジネスに活用している人もいます。特にヘッドハンターは、積極的に使っています。
そういえば、2001年(44歳)の時に、キャリア研修があり、その時、人脈がどのくらいあるかとかやりましたが、その時の結果は、ちょうど100人でした。その時の結果は、会社で仕事上の人脈が6割、会社以外でプライベート上の付き合い(同級生、親類等)が4割という結果で、会社の人脈でプライベートの付き合いがある人や、会社以外の人脈で仕事の付き合いがある人は、かなり少ないという結果でした。全体でも、少ないです。
東大の安田雪助教授によると「ある調査によると、日本人1人当たりの知人の数は200~300人、アメリカ人は1200~1500人。アメリカ人の中でも知人が多いのは、引っ越しの多い人、頻繁に転職する人、出世したり転落したりして社会的に階層を移動する人。つまりいろいろな意味で「移動の多い人」ほど知人が多い。一方、日本人は、アメリカ人ほど頻繁に転職や引っ越しをするわけではなく、社会階層の移動も少ない。」
しかし、アメリカ人の1200~1500人というのは凄い数ですね。知人なので、友人より範囲は広いでしょうけど。たとえば、社会人になって20年の45台半ばの人を平均だとして、社会人になって、毎年40人知人を増やしても20年間で800人です。残りを子供の頃や学生時代とうると、その時に400-700人という数 になります。仮にそう仮定しても、毎年40人の知人を増やすのは、そう簡単ではないですよね。
また、「企業と社会の間に信頼を醸成するには、日々地道なレベルで、多種多様な人々に多種多様なメディアで語りかけること。コマーシャルやプレスだけがメディアではない。従業員1人に500人の知人がいるとすれば、彼らが知人に会社の姿勢を誠意を持って伝えれば、従業員数×500人の信頼関係ができ、その500人がまた誰かに話してくれれば500×500=1億2千5百万人の信頼関係のネットワークができる(従業員500人)。そういう形で多種多様な橋を架け続ければ、信頼のネットワークが必ず形成され、日々新しい信頼が醸成されていく。」とも言っています。
そういえば、同僚が回してくれた記事の「Why Every Employee At Your Company Should Use LinkedIn」にも同じ趣旨の事が書いてありました。
6階層、6人と繋がれば、世界中の人と繋がれるとか言う有名な話があります。昨年は、新しい仕事についたので、名刺交換は500名くらいありました。Lnkedinは、まだフル活用はできていませんが、面白いとは思っていますし、ネットワークも広げたいと思っています。
イノベーションを実行する [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
イノベーションを実行する―挑戦的アイデアを実現するマネジメント
- 作者: ビジャイ・ゴビンダラジャン
- 出版社/メーカー: エヌティティ出版
- 発売日: 2012/11/23
- メディア: 単行本
The Other Side of Innovation Solving the Execution Challeng
体罰について考える - 「巨人の星」と「明日のジョー」 [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
高校陸上部の先生が、拳で殴るなどの体罰を継続的に行っていると父母からクレームが入り、学校側が転勤させようとしたところ自主的に退職。その後、他の生徒や父母から、継続してトレーニングして欲しいと要望があり、私塾の形で、アパートを借り、寮生活をさせ、実費のみ生徒に負担させて、トレーニングを再開した話が、今日、ニュースになっていました。
マスコミの論調は、体罰はいけないけれども、その先生(51歳)は20年もこの指導法で、その高校の陸上部を日本でトップクラスにしている。部員の三分の二がその私塾に自主的に通っている。生徒のインタビューで、生徒自身が「指導法は間違っていない」などという証言も混ぜて、厳しい指導法の是非を説いていました。
最初は「やわな生徒のやわな父母がクレームしているんだな」的な印象を持ちました。私の母も中学の担任に「悪いことをしたら殴ってください」と頼んでいましたものね。
先生と同じ我々の世代は、当時、日本国民全てが信じて疑わなかった「スポーツ根性論」の信奉者でした。「巨人の星」しかり「明日のジョー」しかりです。
米国の映画「ロッキー」ですら、劣悪な環境で頑張るロッキーに対し、当時の仮想敵国のソ連の科学的な訓練で強化されたソ連ボクサーの戦いで、精神的な強さを劣悪環境で鍛えたロッキーが勝つという映画をつくっていました。
現在でも陸上王国のジャマイカのNatinal Teamの陸上トレーニング場は、わざと劣悪な環境で行われているそうです。
てな、感じで考えを巡らせていると、私は、「巨人の星」と「明日のジョー」をごっちゃにしている事に気づきました。そうです。「巨人の星」の話は高校生課外活動の話で、あとの「明日のジョー」とか「ロッキー」などは、プロスポーツの話です。
高校生の本分は学業であり、そこでのクラブ活動は課外活動であるわけです。よって、趣味でやったり、友達を作る目的で、クラブ活動に参加する人もいていいわけです。そういう目的が違う人全員を、プロ選手のように訓練すべきではないのでしょう。
これは、リーダーシップ理論の中の、状況対応型リーダーシップと通じる時があります。各個人の発展段階によって、その指導法を変えるというやり方です。ある人は手とり足とり教える、ある人は励ますだけ、ある人はまかせるということです。これを間違えて、皆、同じやり方でやると成果出す人とそうでない人が出てくるということです。
経営人材育成 [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
経営人材のコンピテンシーというとよく「仕事力」+「人間力」って言われますよね。「経営戦略」+「人材マネジメント」と置き換えてもいいかもしれません。戦国武将も「戦術」+「家臣の信頼」がキーのような気がします。
オーナー経営者は、それこそ、一からビジネスを立ち上げるので、この両方が仕事を通して養われ、そうでない人は、倒産して表にはでてきません。
ここでいう「人間力」、「人材マネジメント」、「家臣の信頼」というコンピテンシーは大企業の幹部候補生に養われるのでしょうか?グループ内で子会社トップを若い頃から経験できた人は、ミニオーナー経験ができるので、養われるでしょうが、大部分の幹部候補生はそういう機会に恵まれません。
そこで、大企業にいて、そういうスキルを身につけるのは、なんだか無理があるような気がするんですよね。しかも、海外と違って部下がやめない環境にあれば、そこの能力が即、評価に結びつかないですから。
2012年、8/7の日経新聞に1000人以上企業を対象に263社から回答を得たリクルートマネジメントソリューションズ「経営人材育成実態調査」の速報が紹介されていました。
経営人材の
●「育成方法が確立されていない」;「あてはまる」+「ややあてはまる」 82.4%
●「育成に求められるスピードが速まっている」 94.5%
●「求められる能力の質が変化している」 89.5%
●「必要な知識を付与する研修」;「実施しており成果に満足」 24.4% 「実施しているが成果に不満足」 40.7%
この結果も頷けますね。「研修と適切な職務経験」のハイブリッドで、育成しなければなrないのはわかっているのですが。
天才! 成功する人々の法則 Outliers The Story of Success [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
内容紹介
・ビートルズやゲイツ、ジョブズが生まれた本当の理由は?
・IQ190“全米一の天才”が大成できなかったのはなぜ?
・「ユダヤ人」「移民」「服飾業」が成功する弁護士の条件だった?
・頻発した大韓航空機事故。最大の原因は“文化の違い”?
・アジア人の「数学的才能」は水田から生まれた?
・NY・ブロンクスに生まれた“秀才学校”の正体?
アメリカ人気No.1ビジネス書著者が挑む「新時代の成功論」
勝間和代さん激賞!「成功の方法・天才になる法則がつかめる本」!
『ティッピング・ポイント』『ブリンク』でお馴染み、
あのマルコム・グラッドウェルの最新刊『アウトライアーズ』が勝間和代さんの翻訳で早くも登場します。
全米では発売3ヵ月で100万部を突破した超ベストセラーを日本屈指のカリスマ経済評論家が丁寧に、わかりやすく翻訳したこの本。
その内容をひとことで言えば、「成功」の要素を“個人の資質”だけでなく、周囲の環境や文化的な側面から考察した、いわば「21世紀の成功論」です。
本書には多くのフレームワーク(考え方の枠組み)が出てきます。
持つ者はさらに豊かになり、持たざる者は持っているものまで取り上げられる「マタイ効果」、どんな才能や技量も、一万時間練習を続ければ“本物”になる「一万時間の法則」・・・・・・
グラッドウェルのフレームワークはやっぱりユニークで面白いです!
「アメリカでは知的なビジネス・パーソンは必ずこの本を読んでいる」と言われるほど、ちょっとした社会現象にもなっています。また同国では、子育てに関心のある、若いお父さん、お母さんにも広く読まれているようです。
アメリカのビジネス・パーソンと接する機会の多い方、自分のお子さんに、より多くの「機会」を与えたい、成長してほしいと考えておいでの方に特に読んでいただきたい本です!!
10年でプロになる10,000時間の法則 [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
Andres Ericssonという米国の学者が30年以上Elite Performanceの研究した結果しており、90年代に、ドイツのバイオリニストのアカデミーで、世界一流になった人のグループの8歳から18歳までの10年間の自己練習時間は、7,410時間(2時間/日)、そうでないけど、かなりのレベルになったグループは、5,302時間(1.5時間/日)、それより低いレベルのグループは、3,420時間(1時間/日)だったそうです(皆、同じ先生に指導を受けた)。
これは、10年間、10,000時間の法則と言われるやつで、毎日2時間44分何かに10年打ち込めば、その道の天才になれるそうです。ビルゲイツしかり、ビートルズしかりだそうです。
ブラジルのストリートサッカーやっている子供や、ケニヤで学校まで走っている子供たちは、まだ子供の頃に、この10,000時間を達成しているので、ほかの国の人に比べてワールドクラスのプレーヤーになるのだそうです。
これは、ビジネスの世界にも当てはまるそうです。でも5,000時間くらいであきらめる人が多いそうです。Fortune500のCEOクラスだと20,000+α時間くらい必要ではないかという事です。
よく、Executiveの中にMBAを取得している人がいますが、その時の勉強はかなりハードらしいです。仮に一日平均10時間だとすると、2年間で、7,000時間くらいになります。日本人の英語習得時間は、学校卒業後、最低1,500時間必要と言われています。毎週本を1冊、10年間読むと10年で、500冊です(100冊である分野のプチ専門家になれると言われているので、500冊だと5分野の専門家になれるということ)。これで2,000時間です。全部合わせて10,000時間ですね。
新入社員で入社して、最初の10年間で、これくらいやれば、会社で立派に成功するでしょう。という事は、だれにでもオポチュニティはあり、極めて「平等」だという事ですね。IQではないと。
よく「修羅場経験が、有効だ」とか言いますが、その時に集中して学習するからでしょう。よって、トータル学習時間が早く10,000時間に達するということなのかもしれません。
別に、子供の時や入社したての若い人だけに当てはまる法則ではないと思います。中年になっても人より10、000時間何かに没頭すれば、その道のエリートになれるのだと思います。下記URLはその例ですよね。
毎日、2時間44分間くらいだったら、スマホでFBやTwitterしてたり、毎日TVを見ている時間を総合すれば、そのくらいになるかもしれませんね。
ちなみに、1年間150時間走ると、1年で、フルマラソン完走できます。
フォロワーシップ Followership [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
リーダーシップの対局をなすのがフォローワーシップで、「部下が上司に与える影響力」の事です。ある意味、複雑性の高まる社会が必要とするリーダーシップは、特定個人に依存するものではなく集合的なリーダーシップ、言わば全員参加型のリーダーシップ とも言えるでしょう。
毎回、新しい上司に組織が左右され、昨日までやっていたことが全否定という事は、日常茶飯事ですが、それをそのまま従うというのも、組織があまりにも自律していないと言わざる負えません。上司と一緒に考え、意見もするし、協調もするというのが、望ましい姿であると思います。
特に近年、課長のプレイング・マネジャー化は加速し、部下の面倒を時間的にみれないマネジャーが増加している傾向にあり、指示待ちの部下ばかりですと組織力は落ちます。
また、従業員の高齢化現象の下、部下が皆、ジュニアばかりではなくなっているので、能力的にもフォロアーシップを発揮できる環境にもあると思います。
フォロワーシップの提唱者である米国カーネギーメロン大学のロバート・ケリー教授の調査によると、組織が出す結果に対して「リーダー」が及ぼす影響力は1~2割。対する「フォロワー」が及ぼす影響力は8~9割にものぼるそうです。
フォロワーシップの効果<組織的効果>
- 目的・方針を共有して実行に移すことができる
- 上司の判断や決断のミスや、ぬけもれを防ぐことができる
- 現場の生の情報をボトムアップすることができる
- チームとしての一体感や凝集力を高めることができる
- 提案・提言する雰囲気や文化をつくることができる
フォロワーシップの効果<個人的効果>
- 指示待ち的な姿勢が、自律的に考えて行動する姿勢に変わる
- 人間的な好き嫌いに依存することなく、上司と仕事をするようになる
- 上司の立場で考えることにより、マネジャーとしての予備的訓練になる
- 上司からの評価が向上して、より大きな権限を獲得することができる
- 一匹狼的な動きが、他メンバーと協働する動きに変わる
企業の年代層別に見てみると、ロストジェネレーション世代の中堅層、ゆとり世代の若手層など、リーダーにはなりたくないと思っている社員が多く、彼らにリーダーシップを過剰期待すると不適応を起こします。
組織の人員構成上突出しているバブルミドル層で役職者として昇格できていない人たち、また役職定年を迎えて過去の自分の成功体験をどのように活かせばいいのか逡巡している人たちの多くは、モチベーションダウンとチーム不関与の状態に陥っています。彼らにリーダーシップを期待しても、それは自分の仕事ではないと反発が生じるでしょう。
よって、彼らに求められているのは、フォロワーシップです。
小林三郎氏の講演 [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
今週は、講演がたて続けました。今日は、小林三郎氏です。この方も講演がうまいですね。先日の藤原氏もそうですが、もう何百回もやっているそうです。小林氏はビートたけし風です。
抜粋しますと。
イノベーションを起こす企業には3つの共通項がある。1番目は、ユニークなリーダーだ。キヤノン初代社長の御手洗毅氏やソニー創業者の井深大氏、ホンダ創業者の本田宗一郎氏――。2番目は、ロクでもない社員だ。大学の成績が悪かったり、そもそも大学を出ていない社員が多い。成績は瞬間的な論理判断力で決まるが、新しいことをやる時には邪魔になることもある。3番目は、年寄りがいないことだ。例えば私がホンダに入った時は、全社の平均年齢が24.6歳だった。イノベーションにはリスクがつきもの。リスクをとれない40歳を過ぎた人がやるべきことは、イノベーションのマネージメントなのだ。
ちょっと寂しいですが、その通りだと思います。「自分はまだまだ若い、イノベーションを起こせる」なんて思って、若手にやらせず自分でやろうとすると、何も生まれず、若手をダメにするだけだと。
そうなんですよね、たぶん。若手のイノベーション創出のマネジメントをやらんといかんわけです。
以前、「ピーターパンみたい」と言われ、いくつになっても若い気持ちを持ち続けているなんて思ったりしていましたが、ちゃんと年相応の事をしなさいということです。
妙に納得しました。
藤原和博氏の講演 [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
今日は、藤原和博氏の講演がありました。「私は誰に似てるでしょう?」とかのつかみがあり、話が上手ですね。話し方も大変参考になりました。
20世紀は成長社会で、ひとつの正解が求められていたのに対して、21世紀は成熟社会であり、正解はひとつではない中で答えを導き出すことが必要であり、そのためには「情報編集力」が不可欠であり、その情報を「つなげる力」が重要であると説きます。
20世紀型頭は、硬直して固くなっている。もっと子供のように柔軟な考え方をしないと。ということで、新しいタイヤ開発の議論をするときに、突拍子もないアイデアを出しましょう。「たとえば食べれるタイヤ」とかです。という課題が出され、隣の人とそんなアイデアだけ出し合ってください。と言われ、やりましたが、10もでないですよね。それだけ頭が固くなっているそうです。
そういうアイデアを出してから、現実的な話を議論しないと、イノベーティブなアイデアなんか出てこないという例です。
右脳左脳みたいな話ですが、21世紀にはそんな柔軟な考え方を身に着けていないと「つなげる力」は生まれてこないそうです。
サイトも運営されているそうです。
「坂の上の坂」という本もなかなか面白かったですよ。
日本型リーダーはなぜ失敗するのか [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
優秀な「参謀」を養成することを基本とした日本陸海軍。当時のリーダーは、その参謀のいいなりになっていた。参謀は責任を取らないので、机上の空論に酔ったという事のようです。今の政治家と官僚の関係と同じという事です。
それに引き替え、戦国武将はよく勉強していたようです。「孫子の兵法」にあるように、将の将たる者は、「智」「信」「仁」「勇」「厳」をしっかり持てということだそうです。
社長の品格というか、器というかそういうものであろうかと思います。
内容紹介
リーダーシップ論 [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
第1段階「特性論」の時代(1900年以降)
「偉大なリーダーには共通する特性がある」という前提によって、過去の優れたリーダーが持っている特性を明らかにしようとしました。「リーダーは作られるものではなく、生まれながら持つ特質である」という考え方がの時代。例えば、カリスマ性は代表的な要件です。
子供の頃はそう考えていましたね。子供の頃のリーダーというと「ガキ大将」という言葉どうりに、ケンカの強いやつがリーダーになっていましたから。学校入ってからは「番長」かな。
しかし、そもそも人々の特性の測定・評価が不十分であり、特性を持っているが成果を出していないリーダーのケースなどもあり、理論的な限界を迎えます。
第2段階「機能論」の時代(1940年以降)
主にアメリカで、第二次世界大戦の最中に、軍隊において潜在的なリーダーを発掘、訓練する必要性や1940年代後半に、戦後のアメリカにおいて多数のリーダー産業界にを発掘・育成する必要から「リーダーを作り上げる行動がある」という前提に立ち、どのような行動が有効なリーダーを作り上げるのかを発見しようとしました。リーダーシップは行動であり技術である、よって習得できると考えるようになりました。行動や技術と捉えることで今日のように研修などで学ぶことができるようになったのです。
多くの理論ではリーダーシップの機能を、課題達成(Task)機能と、人間関係(Relation)の2つの機能で説明しています。何らかの課題を達成することを目指した集団が成り立つ為には、実際に課題が達成されていく、という機能(課題・Task志向)と、集団を維持し、人間関係に配慮するという機能(人間関係・Relation志向)が必要である、という考え方が、リーダーシップ行動論では共通して見られます。代表的なのが、日本の社会心理学者、三隅二不二(みすみ じゅうじ)博士の「PM理論(1966年)」です。
しかし、この理論も、リーダーの行動だけが全ての成果に影響されるわけではない、その時点で有効だったことが時間の経過、状況の変化に関わらず有効であるとは限らない、などの問題点が指摘されました。
第3段階「条件適応理論」の時代(1960年以降)
置かれている状況が異なれば、求められるリーダーシップも変わって来るはずである、という「リーダーシップ条件適応理論(Situational Leadership)」が登場しました。「全ての状況に適応される、唯一絶対のリーダーシップ・スタイルは存在しない」という前提に基づき、どんな人でも適切な状況に置かれればリーダーシップを発揮出来るという立場を取るものです。
これは、「1分間マネージャー」で説明されていまして、私の座右の銘の一つになっています。人のレベルによって、与えるリーダーシップスタイルも変えるべきだという事です。また、同じ人でも、その与える仕事の習熟度により、やはりスタイルを変えるべきとも言っていて、非常に腹に落ちる話です。
第4段階「変革・カリスマ論」の時代(1970-80年以降)
アメリカの長期的経済の低迷化、急激な経営環境の変化によって市場の動きがかつてないほど急変し、既存の価値観や命令体系では企業が継続的に成長することが不可能になってきました。
そこで登場したのが、「カリスマ的リーダーシップ理論(カリスマ的リーダーのカリスマ性)」、「変革的リーダーシップ理論(リーダーの掲げるビジョンとそれを実行する能力)」、「ビジョナリー・リーダーシップ」です。
また、強いリーダーシップだけでは、部下の自主性を阻害して、継続的に成長させられない弊害を生むこともあります。ということで、「サーバントリーダーシップ(ビジョンを提示したうえで、コミュニケーションや信頼関係の構築を重視する)1977年」、「責任共有のリーダーシップ(全員がリーダーであり、責任を共有する。当事者を意識を持ち、複雑さの理解に務める。チームを巻き込み「協働」で動く)」などの理論もでてきました。
私は、こういう理論を説明したりする時によく関連する動画がないか探します。数年前までは、日本語のサイトには何もなく英語のものばかりでしたが、最近には、日本語の動画もYou Tubeには結構ありますね、非常にいい傾向だと思います。
さて、仮面ライダーの的のショッカー軍団を使った「リーダーシップ論」を紹介しましょう。
まず、ショッカー軍団の組織は、以前はこういう風に理解されていましたよね。
しかし、最近はそうでもないそうです。
もうちょっと、真面目なやつですが、これは、私の座右の銘にしている「一分間マネージャー」の著者のケン・ブランチャードのリーダーシップ論です。これは、500ページくらいある本ですが、ネットにこの本を一章づつ学べるサイトがありました。こういうので、勉強できるわけですね。
リーダーシップというとソフトバンクの孫正義さんの話も面白いですね。
ソフトバンク・アカデミア開校式の講義です。
新30年ビジョンというのも参考になりますね。
グリーンランドのノルウェー人 [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
984年にグリーンランドに入植したノルウェー人5,000人が数百年かけて滅亡した話です。
http://blogs.yahoo.co.jp/hitoon66/22991179.html
北欧式しか受け付けず、環境に適応できたイヌイット人のやり方を学ぼうとしなかったので、変化する環境に対応できず滅亡したのだそうです。
日本もグローバル化しないと、、、。
Harvard Business Review 2013年9月号 [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2013年 09月号 [雑誌]
- 作者:
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/08/10
- メディア: 雑誌
自社や業界へのインパクトが大きいが、発生確率が低いと思っているエリアこそ、「イノベーションのブラインドスポット」である。ここが組織にとっての異質な知の発見である。
「見たい現実しか見ない」症候群への処方箋
異質の知が新たな事業をつくる
ボストン コンサルティング グループ
シニア・パートナー&マネージング・ディレクター 太田直樹
イノベーションとは、従来の延長線上の変化ではなく、非連続の変化のことである。組織が過去からの決別を果たすには、組織に染みついた同質的な価値観を打ち破らなければならない。この価値観を打ち破れない企業が「イノベーションのジレンマ」に陥るのだ。
本稿では、ボストン コンサルティング グループ(BCG)が近年プロジェクト事例を重ねてきた、異質の知を取り込む方法論を紹介する。それはシナリオを使って異質な世界観を見る方法論である。イノベーションはグローバル・レベルでの企業課題だが、同社は過去2年間でこのプロジェクトを200回以上経験してきた。同質化のなかから生まれるシナリオは、過去の延長線上のものにすぎない。新たな変化へ対応するためには、あらゆる可能性を検証したシナリオづくりが必要だが、そこに異質な知が欠かせない。人間は本来、異質なものを無意識に避ける傾向があるため、このような異質なものを意識的に取り入れることが求められる。
本稿では実際にグローバルなハイテク企業で実践されたシナリオ作成の事例から、異質な知を取り込んで得られる新たな世界観を紹介する。
64 books in 2013
イノベーションと組織 [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
1970,80年代の高度成長期は、日本企業は、勝ちパターンを掴んでいましたので、それを信じて、一直線に進む軍隊的な組織を必要とし、モノカルチャーの日本ではうまくそれが機能しました。
多様性に富んだ組織は、社内の意思統一に時間がかかるという「取引コスト」が発生するので不要でした。しかし、そういう時代からイノベーションを必要される時代になると、モノカルチャー組織ではイノベーションが起こりにくくなります。
ローマ帝国は、人種に関係なく、医者や教師などの特技があれば、市民権をもらえたそうです。皇帝でさえも生粋のローマ人はネロまでで、その後はもう出身地も生まれも多種多彩で、アラブ人の皇帝までいたそうです。こうすれば、国は繁栄するんでしょう。米国は、今でも同じことをやってますよね。モンゴル帝国も領土を拡大しては、いろんな制度や文化をハイブリッド化させました。
■創発(多様性)
多様性に富んだ人がいる組織では、違った考え方が出やすいとよく言います。そして、その違った考え方が他の人にも影響を及ぼして面白いアイデアがでやすいと。いわゆる「創発」が起きるということですね。若い人や女性、外国人が組織にある程度いるほうがいいと言います。企業のダイバーシティ活動はこの観点も考慮にいれています。「尖った人材」というのも多様性の一つです。
■結合(ネットワーク)
さて、多様性に富んだ人がいても、お互いにコミュニケーションをどんどん取らないと考えをぶつけることができません。そういう意味では、そういう機会や場が必要となります。ホンダの「ワイガヤ」という仕組みはこれを意識しています。外部の人とのネットワークも重要でしょう。丸の内朝大学のようなものもあり、そこらへんを意識しているサラリーマンとかが朝ネットワークをはかったりしています。
■応用
いいアイデアはそう簡単にはできません。よく言われるのが、ある方法を違った局面に応用するのがいいとか言います。米国では、トヨタのカンバン方式を組み立て製造業だけでなく、病院のプロセス改善に使ったとかのやり方です。 企業はこういうことに気がついていて、社内異動を促進しています。会社によっては、入社後3年目、7年目とかに強制異動させる仕組みをもっているところもあります。
■挑戦(リスクテイク)
さて、多様性のある人がたくさんいて、ネットワークがはかられ、ある考え方を応用しだしたりすれば、いいアイデアが生まれ、イノベーションが起きるのでしょうか。 いいアイデアが生まれてもそれを実行しようとしないと何も生まれません。よく「会社や部はもっとこういうふうにすべきだよな」とか言って、自分では何もやらない人達がいます。「評論家」と揶揄されている人達です。 何か実行しようというときは、何か変革しなければならなかったり、成功するかどうかもわからなかったりしますので、チャレンジが必要になります。企業内ではよく「変革、トランスフォーメーション、チェンジエイジェント」という言葉か叫ばれます。しかし、挑戦するとリスクもありますので、往々にして、リスク回避に皆動き、アイデアを実行しない場合がよくあります。「梯子を外されたくない、地雷を踏みたくない」とかですね。
変革の方程式というのがあります。 D x V x F > RD(Dissatisfaction with the current situation)V(Vision for the future)、F(First steps that are achievable)、R(Resistance to change)つまり、現状の課題認識と将来のあるべきビジョンとそのための達成可能な第一手が明確で、その大きさが変化に対するあらゆる抵抗に勝れば、変革は成功するというものです。
これも至極もっともですが、私は、このリスク自体を下げれないかと思います。そのキーフレーズは、「赤信号、皆で渡れば怖くない」です。周りが皆リスクをとって、イノベーションやろうとしているのを見ると「自分もちょっと、、。」と思うでしょと言う事です。
■風土
企業は、イノベーションを起こすために、いろいろな制度を取り入れたりしています。グーグルの20%、3M,東レ(研究者)の15%の就業時間をイノベーションに使ってよしとする制度です。ホンダは、「失敗表彰制度」-失敗してもオリジナリティをたたえて表彰する制度を取り入れています。通常の社内表彰制度は、今、どこの企業でもやっています。
■リーダー
皆がイノベーションを起こそうと様々なアイデアを出しだし始めた時、それをサポートおよびリードするリーダーの存在は、大きいものです。
■仕組み
さあ、多様な組織で皆がネットワークしだし、応用力を持ってイノベーションを起こすアイデアをを思いつき始めます、そして、それにチャレンジする風土の中、イノベーション創出リーダーのサポートやリードがあるとイノベーションがたくさん早く生まれるでしょうか? 答えはイエスですが、もっと直接的な仕組みも必要と考えます。たとえば、「社内ベンチャー制度、社内新規事業推進室」のような組織や制度です。
■人事とイノベーション
今回のブログは、ヘイ グループの山口 周さんの「イノベーションを起こす組織」の論文からヒントを得て書きました。
第一回;日本人は創造性に欠ける?イノベーションにまつわる誤解
第二回;イノベーションを生み出す組織とは(上)「明確な方向感」「多様性」「風通しの良さ」
第三回;イノベーションを生み出す組織とは(下)「明確な方向感」「多様性」「風通しの良さ」
第四回;イノベーティブな企業創生のために人事部には何ができるのか
論文の最終回の最後に下記の記述がありました。
イノベーションは意図的に生み出そうと思って生み出せるものではない。我々(人事部の事だと思います)に出来ることは、イノベーションが生み出されやすい土壌を整え、種をまき、その種に光と風と水を適切に注ぎ、嵐や日照りから守るということだけである。イノベーションというのはビジネスの世界に咲く「大輪の花」なのである。そしてその花を咲かせるために必要なのは、わかりやすい一つの打ち手ではなく、土壌を始めとした様々な組織・プロセス・人材の要件を整備するという包括的な取り組みなのである。
全く同感です。
エスノグラフィー入門 Ethnography [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
Ethnographyって言葉は聞いたことはありますが、何のことかよくわかっていませんでした。会社に一杯、本が会って、帰るときにこの本があったので借りて一気に読みました。要は、現場の混沌とした実情を「概念化」して、その発見を論理だてるという手法なんですね。文化人類学とかで使われるそうです。いろんな学問があるのですね。2,30年前に、中東、アフリカなんかを歩き回っている時にこういうアカデミックなことを習いたかったですね。
内容紹介
質的な研究方法が、人間科学の現場で模索されています。「エスノグラフィー」は、質的調査の代表的な方法論ですが、これまで体系的に解説したテキストがないジャンルでした。本書は第一線の人類学者、エスノグラフィーのプロフェッショナルが書き下ろした、初の質的調査法の決定版です。
ニュービジネス [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
ホンダ イノベーションの神髄 [人事2-コンピテンシー・イノベーション]
筆者は、エアバック開発に16年間もかかったそうです。気が遠くなるような時間です。
内容紹介
野中郁次郎・一橋大学名誉教授推薦。「イノベーションの本質をこれほど突きつめた実践論は存在しない。一つ一つのコトバがハラに響き、本当に行動に駆りたてるコトダマ(言“魂")にまで昇華されたイノベーション論がここにある」。