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体罰について考える - 「巨人の星」と「明日のジョー」 [人事2-コンピテンシー・イノベーション]

   高校陸上部の先生が、拳で殴るなどの体罰を継続的に行っていると父母からクレームが入り、学校側が転勤させようとしたところ自主的に退職。その後、他の生徒や父母から、継続してトレーニングして欲しいと要望があり、私塾の形で、アパートを借り、寮生活をさせ、実費のみ生徒に負担させて、トレーニングを再開した話が、今日、ニュースになっていました。

  マスコミの論調は、体罰はいけないけれども、その先生(51歳)は20年もこの指導法で、その高校の陸上部を日本でトップクラスにしている。部員の三分の二がその私塾に自主的に通っている。生徒のインタビューで、生徒自身が「指導法は間違っていない」などという証言も混ぜて、厳しい指導法の是非を説いていました。

  最初は「やわな生徒のやわな父母がクレームしているんだな」的な印象を持ちました。私の母も中学の担任に「悪いことをしたら殴ってください」と頼んでいましたものね。

  先生と同じ我々の世代は、当時、日本国民全てが信じて疑わなかった「スポーツ根性論」の信奉者でした。「巨人の星」しかり「明日のジョー」しかりです。

  米国の映画「ロッキー」ですら、劣悪な環境で頑張るロッキーに対し、当時の仮想敵国のソ連の科学的な訓練で強化されたソ連ボクサーの戦いで、精神的な強さを劣悪環境で鍛えたロッキーが勝つという映画をつくっていました。

  現在でも陸上王国のジャマイカのNatinal Teamの陸上トレーニング場は、わざと劣悪な環境で行われているそうです。

  てな、感じで考えを巡らせていると、私は、「巨人の星」と「明日のジョー」をごっちゃにしている事に気づきました。そうです。「巨人の星」の話は高校生課外活動の話で、あとの「明日のジョー」とか「ロッキー」などは、プロスポーツの話です。

  高校生の本分は学業であり、そこでのクラブ活動は課外活動であるわけです。よって、趣味でやったり、友達を作る目的で、クラブ活動に参加する人もいていいわけです。そういう目的が違う人全員を、プロ選手のように訓練すべきではないのでしょう。

  これは、リーダーシップ理論の中の、状況対応型リーダーシップと通じる時があります。各個人の発展段階によって、その指導法を変えるというやり方です。ある人は手とり足とり教える、ある人は励ますだけ、ある人はまかせるということです。これを間違えて、皆、同じやり方でやると成果出す人とそうでない人が出てくるということです。


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