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Projetista プロジェティスタ [人事2-コンピテンシー・イノベーション]

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  通常、企業人の仕事のMotivationと言うと、「報酬」や「出世」のような衛生要因的なものだけではなく、「自分がこの組織でどれだけ成長できるか」などのキャリア・パスが重要になると言われていますが、ことエンジニアに関する限りどうも、少し違った見方をする必要があるかなと思います。

  アップルのスティーブ・ジョブスの伝記などを読むと、彼がいわゆる立派な経営者からほど遠い人物だと読み取れます。自分と意見の違う人間ははずす、人材育成なんか興味なしといった人です。しかし、それでも、彼のところには、優秀なエンジニアが集まります。そうです、彼らは、「スティーブと一緒にやれば、商品ができる、Innovationを起こせる」と信じているからです。

  エンジニアは、ある特定の技術にのめりこみ、それを追及することに情熱を感じるタイプとマネジメントなどを学習し、より大きな組織を率いて事業を起こすタイプと最後に、これが一番多いタイプだと思いますが、自分が設計した商品が世に出て、お客様が感動するのを見たいというタイプだと思います。よって、三番目のタイプの人は、スティーブに惹かれるのだと思います。

 http://nasser.blog.so-net.ne.jp/2012-12-06-7

  それでは、エンジニアで一番多い「商品を世に出したい」人たちに、どんどん画期的な商品を出してもらわないといけません。しかし、数名で商品を作れたアナログ時代と異なり、今のデジタル時代は、ソフトも関わるので、たくさんの人がある一つの商品の製品化に関わります。

  これが、簡単にアイデアを商品にすることが難しくなっている現状です。そこで、そういうを総合プロデユースする人材が必要となります。設計からマーケティングまで全てをプロデユースするひとのことを「Projetista プロジェティスタ」と言います。

  これは、イタリアで使われる呼び名です。実際に職業としてあるようです。意味としては「プロジェクトマネージャー」や「デザイナー」 のような存在で、仕事(プロジェクト)全体を管理し、クリエイティブなモノを創りだす職業です。デザイナーの代わりにプロジェティスタという肩書きの方も多いようです。

  これは、イタリアの企業風土というか、独特の背景が関係しているようです。イタリアの中小企業率はなんと全体の90%とされ、ほとんどが10人以下です。また、その中小企業の輸出率は約60%。つまり半数以上をになっているわけです。つまりプロダクトを生み出す時には設計、プロジェクトマネジメント、そして輸出までをも考え、仕事とクリエイティブそのものを結びつける。そういった必要性から、デザイナーという肩書きではなくプロジェティスタと名乗るわけです。

  企業にも、このプロジェティスタが必要かなと思います。スティーブもオズワルドなどにMacを作らせ、彼は総合プロデユースをしていたように思います。P&Gなどのブランド・マネージャーもこういう役割をやっているんだろうなと思います。

  ただ、エンジニアの世界は先述したように、エンジニアの世界の中でもいろんな役割があり、それを誰かがプロデユースしないと形にもならない現実があります。

  ということで、「テクニカル・プロジェティスタ」という技術プロデユーサーが今、企業には必要であると言えるのでないでしょうか。

  実は、この「プロジェティスタ」と言う概念は、7年前の会社の研修で野田先生に教えてもらったのですが、今一ピンと来なかった話で、やっと今日ピンと来ました。

  野田先生は、こういうプロジェティスタを社内制度(資格制度など)に盛り込み、管理職よりかっこいい花形職にしたらどうだと提言されています。

  これが、Innovationを起こすKeyかもしれないなと思いました。

  http://mat.lekumo.biz/ppf/2012/02/projetista.html

中堅崩壊―ミドルマネジメント再生への提言

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プロジェクトとパッション

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  • 作者: エンツォ・マーリ
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2009/01/23
  • メディア: 単行本


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