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ふるさと納税 [D1.政治・経済・社会]

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 上京して40年、東京の大学を出てそのまま就職し、家庭をもうけた。東京は、成長し続けとどまることを知らない。インフラはどんどん便利になる。対照的に自分の田舎は、時間が止まったように、昔とあまり変わらない、いや逆に、子供が少なくなり、老人ばかりになった寂しい街になってしまったようだ。


 この原因の一つには、地方にお金が集まらないからだ。政府はそれを打開しようと、「ふるさと納税」なるものを2008年に開発した。自分の故郷に寄付する制度だ(自分の故郷だけでなくてもいいが)。寄付すると、その分「寄付控除」がうけられ所得税が少なくなる。それと住民税なども減り、寄付すると、実質のコストは2000円になるという面白い仕組みだ。それでも皆寄付したがらないと思ったのか、寄付された自治体は「謝礼」をする。たとえば、故郷の名産物とかだ。こうすると実質「無料」になり、寄付するインセンティブはかなり高まる。


 なかなか、いいシステムである。これで、地元の親や親戚、友人にもなんらかの恩恵があるだろうし、ふるさとがいつまでも元気でいてくれるのはありがたい。


 しかし、自治体は、謝礼は、寄付額より下回ればいいので、寄付金額を増やすため、高額の謝礼を用意し、日本全国から寄付を求める。各個人もこうなると、2000円でどれだけの商品を手に入れられるかということで商品を一生懸命、選ぶのようになる。どの自治体にするかなどには関心を示さなくなる。


 また、高所得者ほど、寄付額の上限が高いので、それだけ有利になる。また、この制度がなくても購入するであろう家電や旅行券や生活必需品を謝礼でもらうようにすると、それはもう「寄付」ではなく「特別減税」になる。


 これで、いいのであろうか?


 ということで、政府は最近、洒落は寄付金の3割以下というガイダンスを出した。

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