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経済大国インドネシア [D1.政治・経済・社会]

経済大国インドネシア - 21世紀の成長条件 (中公新書)

経済大国インドネシア - 21世紀の成長条件 (中公新書)

  • 作者: 佐藤 百合
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2011/12/17
  • メディア: 新書

  今、アジアでは、VIP (Vietnam,Indonesia, Philippines) が熱いです。タイムリーな本だと思います。

 ●インドネシアは、今、「人口ボーナス期」、今後20年続く。最低6%の経済成長がないと失業者が増加する。今世紀半ばに、人口規模が日本の3倍、GDPも日本を上まわる。現在の一人当たりのGDPが今は日本の1/14だが、それが1/3になる。

 ●インドネシアの1971年の人口ピラミッドは、「多産多死」の棒状の上部と「多産少死」の土台とが非連続的に継ぎ合わさっている。2000年になると、人口ピラミッドの底辺が縮まる「少産少死」への移行が見え始めるが、まだモスク型には至ってない。

 ●アセアンの中等教育(中学・高校)の就学率は、1990年で50%前後、高等教育(短大、専門学校、大学)は10%前後であったが、2008年には、それぞれ、70%前後と20-30%となっている。ということは、35-40歳くらいの人の半分が中等教育しか受けていないということになる。それ以上の歳の人はもっと少ない。

 ●インドネシアの対外公的債務残高のUS$61Bilのうちの44%のUS27Bilが日本から。日本としても最大の援助国。その意義は、一つは、インドネシアの東アジア地域における重要性、つまり、インドネシアがASEANの中核国で、国際航海上重要な交通路を擁するため、その安定と発展が東アジア全体の繁栄に不可欠である点、二つ目は、日本にとって、インドネシアは、エネルギーを中心とする天然資源の供給源であり、重要な市場・製造拠点・投資先でもあるから。

 ●インドネシア人は、日本が好きな人が多い。それらの日本愛好者を「プチンタ・ジュパン」と言う。彼らの日本人観は、次のように変遷していってる。①占領者としての日本 ②従軍慰安婦を強いた日本 ③開発資金提供者としての日本 ④先進国としての日本 ⑤ハイテク国の日本 ⑥ポップ文化の日本 彼らは、小学6年と中学2年で①と②を学ぶ。

 ●インドネシアは、今、脱公的援助、鉱物資源の国内供給優先と国内加工の義務づけをしようとしており、内需の充足と雇用・付加価値の創出という方向を目指している。

 ●日本は、資源獲得ではなく、インドネシアの内需と技術蓄積への貢献という面を第一に考えなければならない。

 ●日本企業のチャンスは、一億人を超える中間層に向けた「日本」を活かした消費財・サービスの提供である。飲食品、日用消費財、美容・健康・ファッション関連財では、一握りの日系企業が活躍しているが、これから膨らむ市場の開拓余地は大きい。サービス分野にはさらに多様な可能性がある。小売、外食から、生命保険、IT 、健康・医療、教育、環境ビジネスにいたるまで、日本がこれまでほとんど未開拓だった分野である。インドネシアの消費者の間には、日本ブランドに対する「高い技術力」「たしかな品質」という評価が定着している。そこにもう一つ、彼らのもっている日本に対する肯定的なイメージーたとえば、「健康志向」「清潔」「カワイイ」「美味しい」「環境配慮」「消費者フレンドリー」などーに沿った価値を具体化し、アピールしていくことは可能ではないか。そうしたプラス価値の財・サービスを、中間層が少し手を伸ばせば届くくらいの価格帯で提供できれば、チャンスは大いに開けるのではなかろうか。

内容(「BOOK」データベースより)

リーマンショック後の二〇〇九年秋、欧米の格付け会社が、インドネシアの持続的成長能力と財政的安定を評価し、国債の格付けを引き上げた。以来、インドネシアの有望性は世界が注目するところとなる。二億四〇〇〇万近い人口と豊富な資源を背景とした潜在的な国力は、二〇〇四年、ユドヨノ政権になって以降の政治的安定によって、さらに強固な成長要因となっている。中国、インドに続く“アジアの大国”のこれからを展望する。
50 books in 2012

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