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地球人たる日本人 [D1.政治・経済・社会]

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 「日本を観光立国に!」なんて看板掲げて、安倍政権は「東京五輪が開かれる20年に訪日外国人2000万人」の目標にすると豪語していました。「本当に5年で倍になるのかな?」と甚だ疑問でしたが、あっさりと2年で目標を達成してしまいました。スゴいです!!

 これは、中国人の所得向上による海外旅行爆買ブームによるところが一番大きな要因でしょう。それに円安も加わったと思います。増えたのは中国人だけではないので、日本ブームが世界中に広まっているのも要因の一つでしょう。

 確かに今の日本は、かなり成熟してきていて、安全な国であり、交通機関など最高のインフラを有していますし、国民の民度もかなり高いと思います。文化的にも日本オリジナルなものが多数でてきているので、外国人観光客の目は、「サムライ、フジヤマ、ゲイシャの国」から「伝統のある国+ハイテクの国+おもてなしの国+アニメのようなファンタジーの国」というふうに変わってきているのだと推測します。

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 政府は、新たな目標値で訪日外国人6,000万人をぶち上げました(2014年のランキングは、仏8,300万人、米7,500万人、スペイン6,500万人、中国5,600万人)。これは、かなりの数字になりますね。2020年は東京オリンピックなので、これを起爆剤としてうまく活用したいものです。

 私は、この流れは日本にとって非常に大事だと思います。ただ単に、観光産業の発展という経済効果だけでなく、この素晴らしい国、日本に決定的に欠けていることが、この訪日客受け入れによって強化されると思うのです。

 その欠けている事と言うのは、『グローバル力=異文化対応能力』と『地球人としての意識』です。

 先日、英語のできない東大出身の社会人に会って愕然としました。多分、大学入学した時はかなりの英語レベルだったのでしょうが、その後は英語が全く必要のない環境だったのでしょう。

 憲法改正の論議でも野党は「日本を戦争のできる国にしたらダメだ」とかの論戦をはり、国民に支持を得ようとしています。日本以外の国で、苦しんでいる人がいても、そこには「戦闘行為以外の援助は惜しまない」と逃げます。

 湾岸戦争の時も、世論は自衛隊派遣に2割程度しか賛成しなかったのもあり、日本は、結局、130億ドルも援助しました(まあ、最初は1,000万ドルだったそうですが)。しかし、血は流さなかったということで、戦後クウェートが謝意を表明した中に日本の国名はありませんでした。これでいいのでしょうかね。私はクウェートに5年も住んでいたので、この話は非常に恥ずかしく思います。

 日本と言う国は、村社会でお互に助けあう、いい社会をつくるけれど、村以外の人の事には無関心というか仲間に入れない事だと思うのです。ある意味、まだ「鎖国」しているようなものですね。2015年の海外旅行者は2,000万人にも上り、海外旅行に行った事のない日本人はいないくらいです。ただ、旅行先では、現地の人とそんなに話す機会もなく(だいたい言葉ができない)、観光地を回って「やっぱり日本が一番いいね」と思って帰ってくるのではないでしょうか。

 人口がどんどん減っていく日本で将来的には、他国のように「移民」も受け入れなければならない日本にとっては、こういう村社会では、外国人を受け入れる事は至難の業だと思います。日本で不足している看護師を迎え入れるためにフィリピンやインドネシアなどの看護師を日本で働いてもらおうという試みも、看護師の日本語での国家試験に受からなければならないので、日本で働くことはほとんどできない状況です。要は、日本語を話し、日本人化していないガイジンは日本には受け入れられないという事です。

 そういう意味で、まず、外国の人に日本に来てもらい、いろんな接触を日本の人としてもらうことにより、より多くの日本人が異文化に接触でき、理解も深まるのではないかと思います。

 今、地方の老舗旅館の仲居さんは、外国人客が増えたので英語の特訓中だそうです。タクシーの運転手さんも英語ができると一段階上のクラスになるそうです。今まで、外国語と無縁だった業種にも語学が必要になってきました。これは、今後、6,000万人も外国人が来るようになると、語学力は益々必要なスキルになってくるでしょう。こうなると、外国語を学習する意欲も増すのではないでしょうか。今までは、苦労して外国語を学習しても使う時がなかったので、モチベーションも上がらなかったわけです。今からは違います。使う機会も増え、外国語習得すると、今までよりも報酬が上がる人が増えるという事です。

 訪日客があまりに急激に増えたので、宿泊施設が間に合わず、世界的にはやっているAirbnbなども民泊も日本では、外国人がゴミ出しのルールなどを知らない事よる住民とのトラブルなどが起こっていたりもするようですが、ホームステイを大規模で行うようなもので、面白い現象だと思います。外国語を習得するために、民泊をやるという動機でもいいと思いますね。

 また、中国や韓国といろいろもめています。これらの国は、反日教育とかが施されているので、かなり日本や日本人に偏見を持っている人がいます。そういう人たちも実際に日本に来てみると、聞いていた話と違うと理解するそうです。政治的にはいろいろな思惑があるので、なかなか関係改善はしにくいでしょうから、民間レベルでもっと接触を増やすことが誤解をなくして、関係を修復する一番の方法だとも思います。


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