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戦乱商人 [人事3-人材育成・グローバル人材・評価]

戦乱商人―マグレブに乾杯!中近東ビジネスの勝者たち

戦乱商人―マグレブに乾杯!中近東ビジネスの勝者たち

  • 作者: 小寺 圭
  • 出版社/メーカー: カナリアコミュニケーションズ
  • 発売日: 2015/04
  • メディア: 単行本
  私の先輩の二作目の本です。処女作は、「ヘコむな、この10年が面白い」という5年前の本です。
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     いわゆる「団塊の世代」のビジネス戦士のストーリーです。この世代は私の10歳上くらいで、戦後のベビーブームに生まれ、人数も凄く多い層です。よって、彼らが学生になると「受験戦争」や「長髪/ジーパンファッション」「ロック・フォークソング」を流行らせ、時代を作っていきました。また、大学生の時は、学生運動を起こし、体制へ反乱をしていましたが、皆、長髪を切って、企業に就職し、「体制側」についていきました。しかし、今度は、高度成長期の日本の「ビジネス戦士」として海外の前線で活躍し始めます。そういう時期の1970年代後半の話です。
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  大学生の私は、こういうふうに海外の前線で活躍する先輩たちの話をメディアで知るたびに、そのかっこよさに憧れ、自分もグローバルな企業戦士になりたいと思っていました。
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  私は、この話から数年後に、「鬼の中近東課」を経て、クエートに赴任し、中近東ビジネスに参画することになります。
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  当時は、ネットもスマホもなく、著者が「思えば遠くへ来たもんだ、、」と書いているほど中近東は日本からは遠い存在でした。クエートでも爆弾テロなどは頻繁に起こっており、文字通りの「修羅場」でしたが、次第に麻痺してあまり危険と感じないようになっていました。それより、商売でダマされたり、倉庫にある山のような在庫をどう売るかや安売りする店の問題、売掛金の回収に頭を悩ませる毎日だったと思います。「物を考えすぎて頭が痛くなる」という体験したのもこの頃でした(そう言えば、最近、頭が痛くなるまで物を考えていないな、、)。
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  著者が最後に「あとがき」で結んでいる言葉は、「戦乱は何も紛争地域だけにあるものではない。ビジネスの世界においても、世界レベルの競合もあれば、社内の競争やポリティクスもある。ビジネスマンは常にその中で生き延び、成長しなければならない。今も昔もビジネス戦士に欠かせないものは、本編で書かれたような知恵と粘り強さと勇気ではないだろうか。」です。
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  日本の人口減少に伴い、国内だけで利益を上げてきた企業は、最近どんどん海外進出しています。しかし、海外進出のノウハウがない企業は、今、この本のような様々な修羅場を迎えて奮闘しています。そういう企業のビジネス戦士には「知恵と粘り強さと勇気」が必要なのでしょうね。
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内容(「BOOK」データベースより)

中近東市場を制覇せよ!イスラム世界に勇躍した日本のビジネス戦士たち。元ソニー役員が描く高度成長期最後の成功秘話。
【目次】
第1章 密輸の港ーラス・アルカイマ/第2章 ベータマックス vs VHS/第3章 チュガーニーージェットエレクトロニクス創設者/第4章 掟破りー並行輸出/第5章 革命的技術「3システムマシーン」/第6章 戦乱の大市場/第7章 さらばイラン/最終章 マグレブに乾杯   
 1983年6月 ドバイ (8).jpg
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著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

小寺/圭
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1946(昭和21)年東京都生まれ。東京外国語大学卒。国内商社、外資系企業の日本法人などを経て、1976年ソニー(株)入社。海外営業本部中近東アフリカ部長、ソニー・アジアマーケティング・カンパニー(シンガポール)社長、ソニー・ヨーロッパ社長、ソニー・マーケティング(ジャパン)社長、ソニー・チャイナ会長を歴任。その後日本トイザらスCEOを経て現在、アマダナ(株)会長、(株)チェンジ監査役の他多くのベンチャー系企業の指南役として活躍。
35 books in 2015


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