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日本の朝鮮統治を検証する [D2.日本史・世界史・近未来]

「日本の朝鮮統治」を検証する1910-1945

「日本の朝鮮統治」を検証する1910-1945

  • 作者: ジョージ アキタ
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2013/08/23
  • メディア: 単行本
  日本の朝鮮植民地支配(1910-45年)に対する研究は、時代と伴に変化しているそうです。1950年代初めから、朝鮮が受けた犠牲に焦点を当てた民族史観的研究が主であり、現在も続いていますが、1980年代半ば頃からは、韓国、アメリカにおいて少数の学者が、国家の近代化を朝鮮の歴史研究(日本の植民統治)を通して研究するようになったそうです(植民地発展論)。そして、近年現れた第三の研究分野は、植民地の近代性に関わるもので、これは、伝統的な朝鮮社会が近代に足を踏み入れた過程を分析することによって、日本統治の実態を検証しようというもので、朝鮮の社会、経済、技術革新面における適応能力に焦点を当てています。
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   この著書の話とは別に、私は、この頃の日本の動きに驚異的なものを感じます。明治維新は、1868年です。それまではずっと鎖国をしてたサムライ時代で海外との接触がなかったにも関わらず、それから26年後の1894年には、日清戦争、1904年には、日露戦争など、大国と戦争ができるほどの国力をどうやって育んだのでしょうか。しかも、1895年には台湾統治、そして1910年のこの朝鮮統治です。
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  今でさえ、グローバル化だ異文化理解だと言っているのに、異文化に触れ始めて、20-40年で、大量の日本人が、海外とこう激しく接触する動きは驚きです。開国を迫った黒船は、こういう近未来を想像だにしなかったでしょうね。
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  初代台湾総督の樺山資紀は、1837年に薩摩藩士の三男として生まれました。そして、サムライとして育ち、31歳の時に明治維新を経験し、58歳の時に総督になったわけです。
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   この適応能力は、驚異的ですよね。
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【紹介】近年アメリカでは日本の朝鮮統治に関する実証研究が進み、史上最も苛酷な植民地支配といった民族主義の視点に立つ暗黒史観は修正されつつある。米国の歴史学者が10 余年に及ぶ研究にもとづきこれを検証。日本統治下の朝鮮では現実主義、相互主義的でバランスのとれた政策が実施され、それが戦後韓国の発展の礎となったと結論づけた瞠目の書!

内容(「BOOK」データベースより)

日本の朝鮮統治史研究においては、統治下の朝鮮の人々の否定的な体験に焦点をしぼった民族史観的パラダイムが大勢を占めてきた。だが、こうした体験談のみで朝鮮統治のすべてを語れるのだろうか。アメリカの2人の研究者が、あくまでも史実に基づき、可能な限り客観的にこれを検証。本来の意味での修正主義史観による最新の研究成果を紹介しつつ、日本の統治政策が「当時としては驚くほど現実的、穏健かつ公平で、日朝双方の手を携えた発展を意図した」ものであり、朝鮮の近代化に貢献し、戦後韓国の奇跡的な発展に繋がったことを明らかにしてゆく。ナショナリズムに偏した一面的な歴史認識に180度の修正を迫る第一級の研究書である。
101 books in 2013

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