Spanning Silos [D4.経営戦略]
Spanning Silos: The New CMO Imperative
- 作者: David A. Aaker
- 出版社/メーカー: Harvard Business School Pr
- 発売日: 2008/09/16
- メディア: ハードカバー
What Money Can't Buy - それをお金で買いますか [D1.政治・経済・社会]
What Money Can't Buy: The Moral Limits of Markets
- 作者: Michael Sandel
- 出版社/メーカー: Allen Lane
- 発売日: 2012/04/26
- メディア: ペーパーバック
●全米退職者協会はある弁護士団体に、一時間当たり30ドルという割引料金で、貧しい退職者の法律相談に乗ってくれつかどうか尋ねた。弁護士団体は断った。そこで、退職者協会は、貧しい退職者の法律相談に無料で乗ってくれるかどうか尋ねた。今度は弁護士団体も承諾した。市場取引ではなく慈善活動への取り組みを要請されていることがはっきりすると、弁護士たちは思いやりをもって対応した。
●アメリカでは、1990年代までに、主だった企業は会社所有型生命保険(COLI)に膨大な金額を投じ、数十億ドル規模の死亡先物産業が登場することになった。税制優遇措置を受けられるため、企業はこの病的な投資に魅せられた。一般的な終身保険と同じく、死亡給付金は非課税だったし、この保険が生む年間投資収益にも税金はかからなかった。
●「マネーボールー奇跡のチームをつくった男」アスレチックは、技術が過小評価されている選手を統計分析によって見抜き、野球の一般的通念に反する戦略を用いて、実力あるチームを作り上げた。たとえば、勝つためには、打率や長打率よりも出塁率の高さが物を言うことを発見した。そこで、棒給の高額な強打者ほどの知名度はないが、フォアボールでの出塁が多い選手を雇った。
内容紹介
待望の最新刊登場! 現代最重要テーマに、教授はどう答えるか?
結局のところ市場の問題は、実はわれわれがいかにして共に生きたいかという問題なのだ。
(本文より)私たちは、あらゆるものがカネで取引される時代に生きている。民間会社が戦争を請け負い、臓器が売買され、公共施設の命名権がオークションにかけられる。市場の論理に照らせば、こうした取引になんら問題はない。売り手と買い手が合意のうえで、双方がメリットを得ているからだ。だが、やはり何かがおかしい。貧しい人が搾取されるという「公正さ」の問題? それもある。しかし、もっと大事な議論が欠けているのではないだろうか?あるものが「商品」に変わるとき、何か大事なものが失われることがある。これまで議論されてこなかった、その「何か」こそ、実は私たちがよりよい社会を築くうえで欠かせないものなのでは――?