SSブログ

ファーマゲドン 安い肉の本当のコスト [D4 食品業界]

ファーマゲドン 安い肉の本当のコスト

ファーマゲドン 安い肉の本当のコスト

  • 作者: フィリップ・リンベリー
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2015/02/05
  • メディア: 単行本

相当ショッキングな本でしたね。「食べられる穀物のうち3割以上は家畜の餌になっている。この3割を直接人間が食べれば30億人を養うことができる。海でも同じことがおきている。世界の漁獲量の3分の1は人間の口に入らず、養殖魚や家畜の餌になっている。」いるそうです。家畜などの大量生産は、不健康な食材を大量に生産していることになるのですね。

内容紹介

まるで工場のような家畜飼育、養殖、穀類・豆の単一栽培……。一見すると、安価な食料を効率的に大量生産する素晴らしい手段のように見える。

しかし、現実はまったく逆だ。現代的集約農業は、公害をまき散らし、生態系を乱し、貧困層を拡大する。その先に待ち構えているのは、ファーマゲドン(農業がもたらすハルマゲドン)だ。

私たちは、自分が口にする食べ物についてあまりにも知らされていない。 抗生物質、ホルモン剤にまみれ、不健康に育った肉や魚が安く売られている事実を知ったとき、今後も同じように食べ続けるだろうか。工業型農業が生み出す安い食料が人々の健康と環境を蝕んでいる実態に迫ったのが本書だ。

工業型農業、すなわち動物を飼い、土地を耕すというデリケートな仕事を、機械の部品やゴムタイヤの製造のようにこなす農業が、安い肉を生産する唯一の方法なのだろうか。この考え方は、広く浸透し、長い間、疑う余地のないこととして信じられてきた。政府も、消費者が鶏肉を2ポンドで買える環境を大急ぎで整えた。それが誰にとってもいいことだと信じて。しかし、安い肉がどうやって作られているかは、隠されたままだった。本書では、食料供給よりも利益を優先したために生じた、思いがけない結果について探っていく。国民に食料を供給 するためよかれと思って始められたことが、なぜこれほど間違った方向に進んてしまったのか。

1962年、レイチェル・カーソンは著書『沈黙の春』で、農業が新たに取り入れた工業的手法、特に空からの農薬散布の影響にスポットライトを当て、食料と田園地帯が直面する危機について警鐘を鳴らした。本書は、現代版の『沈黙の春』である。農業、畜産、漁業の工業化が食品汚染、環境汚染、そして種の絶滅を招き、近い将来、破滅的状況(ファーマゲドン)を引き起こすというのが著者の考えだ。 かつて田園地帯では、多様な作物と家畜を育てる混合農業が見られたものだが、今やそれは過去のものとなり、ただ一種の作物あるいは家畜だけを育てる単モ ノカルチャー式農法に取って代わられた。もはや農業に自然との調和は求められなくなった。同じ作物を同じ畑で何度も繰り返し栽培する。土壌がくたびれたら、化学肥料を投入して早々に回復させる。厄介な雑草や害虫は、除草剤や殺虫剤を大量に散布して排除する。家畜は農場から姿を消し、工場さながらの家畜小屋に詰め込まれ、それらの肥やしに変わって化学肥料が、畑や果樹園の疲れた土壌を無理やり再生させるようになった。次第に、かつてない農業の手法が語られるようになった――工場の生産ラインのような飼育方法である。本書では、食料供給において利益を最優先したために生じた、思いがけない結果について検証するとともに、消費者としてどのように行動すべきかを提示する。                        
.
46 books in 2015 
フィリップ・リンベリー
家畜の福祉向上を牽引する国際的な慈善団体、コンパッション・イン・ワールド・ファーミング(Compassion in World Farming、世界の家畜に思いやりを)の最高経営責任者。工業化された農業の影響について傑出した意見を述べてきた。彼のリーダーシップのもと、コンパッションは、英紙オブザーバーが主催する「オブザーバー・エシカル・アワード・フォー・キャンぺーナー・オブ・ザ・イヤー(最もすぐれた倫理的活動をした団体を讚える賞)」や、BBCRadio4の「フード・アンド・ファーミング・アワーズ・フォー・ベスト・キャンペーナー・アンド・エデュケーター(食料・農業分野のすぐれた活動家と教育者を讚える賞)」など、数々の賞を受賞した。生涯を通じて野生生物を愛しており、妻と養子の息子とハンプシャーの田舎に暮らしている。

スポンサードリンク


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。