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生涯発達心理学 Life-span development psychology [D3.心理学・哲学]

  次女が大学で心理学習っているので、私も同じ教科書を読んでいます。マネジメントに役にたちます。そこで、「Psychology」というカテゴリーをBlogにも設けました。
 さて、今日読んだところは、生涯発達心理学といって、ちょうど「中年期」のことが書いてあり、非常に興味深いものでした。

 まず、青年期の最も重要な発達が、自我同一性(ego-identity)の獲得だそうです。その発達順序は、同一性拡散 identity diffusion (どう生きるか探索)→早期完了 foreclosure(どう生きるか探索せず、傾倒)→モラトリアム moratorium(積極的に探索し、まだ傾倒をしていない)→同一性達成 identity achievement (積極的な探索と傾倒の双方をおこなっているもの)。そして当然ながら、自我同一性を獲得すると心理的幸福感も高くなる。

 成人期(20-65歳)の発達の特徴 ①生涯発達を考える (発達は生物学的働きと文化的働きに影響される) ②発達は獲得と喪失のダイナミックな過程である(年齢が上がると喪失が獲得を上回る、中年期はそれが同じくらい) ③生涯発達の変化は生物学と文化のダイナミックな関係の中で生じる (生物学的な影響は年齢が高くなるとマイナスに働く) ④生涯発達において資源の配分に変化が起こる (個人のもつ全体資源が減少していくので、維持と回復、調整が重要になる ⑤生涯発達は修正可能である ⑥個体発生的文脈主義と歴史的文脈主義をとる (生物学と文化の影響) よって、成人期の発達は、喪失があったときに他の手立てで補い(compensation),可能な範囲からある少数を選び、そこに集中し(selection)、もっている資源を目指すところに向けて最大限に利用すること(optimization)。また、成人期の一つの特徴は、親としての新たな経験とそれによる成長である。母親のほうが自分の発達を強く意識する。また、職場での次世代の育成も、それを通して成長する可能性がある。

 中年期(40-50歳代) 獲得、成長、加算、完成の時期と、衰退、制限、喪失の時期の間が中年期であり、知識志向(新しい人と出会うことに関心がある)から情動志向(長い間知っている人との接触を好む)へ移行する、子育てとともに親の介護にも携わるなどや発達的締め切りを意識する時期でもある(中年期の危機)。 よって、個人が自らの発達をどう制御していくかの発達的制御 development regulationが重要になる。そのために、一次的コントロール primary control (周りを変えていく)と 二次的 secondary control (自分を変えていく)を必要で、その弾力性(レジリエンス)が重要となる。たとえば、情動的安定を求めるために、少数との付き合いだけやるより、同時にSocial Networkを広げる努力もするということである。

 老年期(65歳ー) 流動性知能 fluid intelligence (作動記憶の素早さに依存した知能は落ちるが、結晶性知能 crystallized intelligence (今までの経験的長期記憶)は落ちない。Social Convoyとは、個人が経験する支援的関係に影響する個人的・状況的要因によって形作られる一種の構造である。人々がコンボイを形成し、コンボイは個人が生活し経験することを支える防御の安全基地として働く。そういった要因と社会関係が個人の健康や安寧に同時的にまた長期的に影響する。このコンボイは、個人の生涯発達においてダイナミックな働きをする。個人も状況も変化し、コンボイからある人が抜け落ち、また別な人が加わる。近い・強い関係があり、遠い・弱い関係があり、各々に独自の働きがある。絶えず変容しつつ、コンボイとして成り立ち、個人を支えていく。まあ、親戚付き合いみたいなものでしょうか。
 支援を受けること、特に情緒的な支援を受けるのは、自分が価値がある、有能である、愛されるに値するといった感覚を引き起こし、それが自分の生活に対する実際の効力感を高めるようである。


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