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アラブ [D1.政治・経済・社会]

 今でも、「中近東」、「アラブ」、「イスラム」って言葉は日本人からすると最も遠い存在ではないでしょうか。今から35年前に、クエートに駐在した私は、砂嵐の街を見て「遠くに来たな」というのが実感でした。

1983年8月7日 誕生Party (20).jpg

 アラビア半島にある国々は、国土がほとんど砂漠で、沿岸の国々は漁業や真珠が主な産業で、人口も少なく世界からも離れた文字通り「遠~い」国々でした。

 それが1930年代に大油田が発見され、がぜん世界が注目し、これらの国々は、超リッチな国へと変貌を遂げました。どこも王族が国を治める体制をとりました。

 私が、クエートに住んだのは、1980年代でした。女性は街を歩く時は、黒い服で身を隠す等の「男尊女卑」そして「一夫多妻制度」、労働は出稼ぎがやるという「人種差別」、「禁酒」、歓楽街などはない「禁欲的生活」、「一日五回のお祈り」、「断食の季節」、「巡礼」等々、20世紀後半にここまで中世的な文化・制度がまだあるのかと思いました。

 1990年に、隣のイラクがクエートに侵攻したのは、貧しいイラクが超金持ちのクエートに攻め入ったんだなと私は思います。

 その後もオイルリッチ国々はどんどん発展していき先進国と変わらないインフラを整備していきます。特にドバイの発展は目を見張るものがあり、観光地としても、世界中の人を引き寄せました(私の時代はビジネスビザがないと入国できませんでしたものね)。

 2010年頃は「アラブの春」が起こり、主にアフリカのアラブ諸国で大きな市民革命が起こりました。


 さあ、そんなアラブに最近、また動きがあります。まず、今年2017年6月に、カタールがサウジなどの近隣諸国と断交してしまいました。衛星テレビ局アルジャジーラの問題など政治的な問題からです。そして、昨日、サウジアラビアで、200人以上の王子らが汚職容疑で拘束されました。これは、「次期国王」と目されているムハンマド皇太子(32)の改革です。彼の目標は「脱石油」だそうです。

 私がクエートにいる時からアラブ諸国の為政者はそれを唱えていましたが、掛け声だけで、既に裕福になっているアラブの人々は、ラクにできる投機とかはしても自分達で汗を流して頑張ろうとはしませんでした。さあ、この皇太子は、サウジを、いやアラブを変える事ができるのでしょうか?



 

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