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多国籍企業の変革と伝統 ユニリーバの再生 [D4 食品業界]

多国籍企業の変革と伝統: ユニリーバの再生(1965-2005年)

多国籍企業の変革と伝統: ユニリーバの再生(1965-2005年)

  • 作者: ジェフリー ジョーンズ
  • 出版社/メーカー: 文眞堂
  • 発売日: 2013/05/20
  • メディア: 単行本

  この書は、経営史が専門のジョーンズ博士に、ユニリーバが、社史を編集するように頼んでできたものです。普通、企業は自分で社史をつくるか、学者が勝手に調査して本にする事が多いと思いますが、この本はこうして生まれました。

   それにしても、1929年にリーバ・ブラザーズ(英)とユニ(蘭)が合併した後、ビジネスはどんどん拡大していき、2013年で、売上6兆4000億円で、営業利益は、なんと15%の9,600億円です。従業員は17万人。日本は、売上800億円で社員数550人と小さいですね。

 アフリカのような新興国にも早くから参入しており、事業分野も貪欲なM&Aにより拡大していき、名実ともに「多国籍企業」って感じです。

 1990年頃、ユニリーバは、独自に技術的イノベーションを起こし、それを迅速に商品化するよりも、高価な大人向けチョコレート・アイスクリームのように、どこか他のところで開発されたコンセプトを採用し、自社のマーケティング能力を生かし、世界トップクラスのブランドを構築することに長けていました。問題なのは基礎科学の質ではなく応用させるスピードである、という強い信念が社内に存在していました。

 ユニリーバの5つの企業能力

1)強力なブランド力とマーケティング力

2)企業買収で力を発揮し、買収後の「ユニリーバ化」を進めてきた。

3)研究基盤

4)現地化により、世界各国のビジネス・システムや政府の意思決定に深く埋め込まれた。

5)もっとも重要な事として、経営者育成に多額の投資を行い、優れた経営管理を行った。

というように、技術革新をして、新しい商品を市場に投入して、ビジネスを拡大するという普通のメーカーとは、スケールの違う、大きな戦略によって発展していった会社だと思います。特に(2)はそんなに簡単ではない事だと思いますが、うまくいくと急成長できると思います。

●1960年までのイギリスの女性の40%は、せいぜい週に一度しかシャンプーを使っていなかった。

内容(「BOOK」データベースより)

世界でも有数の巨大グローバル消費財メーカーの一つであるユニリーバ。その歴史を紐解く比類なき研究書が本書である。同社がこれほどまでに巨大化し、成功を収めるに至った経緯を、詳細に解説。さらにブランディング、新興市場、イノベーションなどの重要課題はより掘り下げて解明を図る。幅広い専門分野の研究者はもとより、ビジネスパーソンやマネジメントに関心のある一般読者にもお薦めの至極の歴史書。
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112 books in 2014

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