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グローバル人材の育成方法 [人事2-コンピテンシー・イノベーション]

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  現在、日本では、「グローバル人材の育成」について議論がされています。30,40年前から日本企業は海外に進出しているのにもかかわらず、この議論がでるのは、今までの海外進出は、日本の経営ややり方をそのまま移植していただけに過ぎなかったので、日本が一人勝ちしているときはよかったということでしょう。そうではない時代になると、ダイバーシティを受け入れたやり方が必要となり、それをできる人が必要になってきたからこの議論が出始めたと思われます。

  まず、グローバル人材の読み書き能力と言いますか、基礎能力は、やはり高レベルの英語力、プレゼン力、多数の人の前で自分の意見を積極的に発言できる発言力でしょう。先進国の高学歴者で英語ができないのは、たぶん日本だけだと思います。この三つの能力は、本当は、大学教育までで習得すべきものです。シンガポールは、国立大学がビジネススクール化しており、卒業時には、ここまでの能力が養われています。また、2,3回のインターンシップで、この能力を実際に訓練できるようにしていますので、身についていますね。この基礎力があると異文化や多様性のある環境でも早くなじむことができます。

  次に必要な基礎知識が、ロジカルシンキングです。これは、思考の訓練です。多少のフレームワークや理論を学び、後は、ケーススタディをドリルのように何度もやり訓練して身につけさせます。最低1年はフルタイムでやらないと身に付かないでしょう。この基礎力があると現場の仕事内容を深く考察できるようになり、習得期間が短くなるだけでなく、改善点や全く新しいやり方を開発できるようになります。ビジネススクールでよくやられているやつです。

  企業が若手を中心に、海外のビジネススクールに派遣するのは、上記の四つの基礎力を一度に身につけさせるためです。但し、コストがかかりますので、非常に少数に絞られます。

  中堅になって、付加しなければならない能力は、マネジメント力です。日本ではプアなマネジメントをしても簡単に部下がやめないので、死活問題にまではなっていませんが。グローバルでは大変重要です。中堅になれば、部下もできてくるでしょうから、どうしたら組織が100%以上の力を発揮できるか、人材育成をどうしたらいいのかなどです。これには、まず通り一遍の知識の習得が必要で、その後、コーチングなどを通し、実践での経験が必要です。昔の日本は組織が急拡大して、若手でも管理職のチャンスが多かったので、比較的若い時期からこの経験をできる恵まれた環境がありました。そうでない今は、ポテンシャルタレントに、このトレーニングとストラテジックなJob Postingをしてそれを経験させることが企業として必要になってきます。海外駐在でこういうポストを確保することも実践的です。

  最後が、リーダーシップ力です。これは、理論研修などはなく、自分はリーダーであるという自覚を持たせる研修が必要です。主に、企業の社内大学などで、上級幹部を中心にそういう研修を取り入れているところが多いと思います。

  このシナリオを実践するには、若いときから海外に出し、それなりのポジションを担当させ、それにそった研修プログラムを組めばいいことになりますが、それでもロジカルシンキングなど時間のかかる研修などもあるので、完璧ではありませんし、皆を海外にはだせませんし、このように育ているコストも膨大になってしまいます。

  日本でやる方法はないものでしょうか?一番目の英語力は、企業ではTOEICのスコアを昇進の条件にしたりして自助努力を促しています。プレゼン力、これもそういう学校とかに通えば、それなりに身に付くのではないでしょうか?自分でスキルアップする動機になる研修が企業内で必要でしょう。発言力に関しては、どうでしょうか。1日の研修で身に付くと思いませんし、そういう研修をやる機関はあまり聞いたことはありません。

  ロジカルシンキングは、日本のビジネススクールでもやれるでしょうし、そのときに、発言力とプレゼン力も一緒に訓練すればいいかもしれません。企業は、そのトリガーになるような啓発研修をやるのがよいと思います。

  マネジメント力の理論研修は、社内研修でできるでしょう。これを部下がいれば実践することができ、そのフォローアップをコーチング会社や社内コーチがやればいいのですが、まだ部下のいない若手はどうしましょうか。考えられるのは、何かのプロジェクトリーダーにならせることですが、これもできる部署とそうでない部署がありますね。部長クラスの研修で、こういうことの重要性を理解させ、積極的にそういうタスクを与えるよう指導するのが結局近道かもしれません。

  とうことで、グローバル人材を育成するためには、早く、基礎力をつけさせることです。英語以外は、この能力をはかるものさしがないので、「今、うちの会社の人材はどういうレベルにある」というのが計れないのがひとつ問題として残ります。マネジメント力は、360°評価が結構わかりますが、評価には使えない欠点があります。組織マネジメント試験というのをやっている機関もあります。うまいものさしをつくり、社員個人が基礎力がどのくらいあるか、どのくらい伸びたかとかがわかるといいのですが。

   会社入って、7,8年、30歳前くらいで、英語力(25%)、プレゼン力(20%)、発言力(20%)、ロジカルシンキング力(35%)くらいですか配分は、12,3年目、35歳くらいの油が乗っているときは、英語力(15%)、プレゼン力(15%)、発言力(10%)、ロジカルシンキング力(30%)、マネジメント力(30%)くらいの配分ですかね。部長級になると、これにリーダーシップ力が入ります。まあ、これは、何度も言っているように「基礎力」で、これを土台にして、実行力や創造力などの真の重要な能力を開発していかなければならないのは、言うまでもありません。

  結局、社員個人個人が自分の能力開発は、自分でやるもので、会社頼みにして受身になってはいけないということをわからせるということですね。そういう意味でも、能力を計るものさしは必要です。


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