プロフェッショナルマネージャー [D4.経営戦略]
- 作者: ハロルド・ジェニーン
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2004/05/15
- メディア: 単行
●ビジネスの世界では、誰もが二通りの通貨ー金銭と経験ーで報酬を支払われる。金は後回しにして、まず経験を取れ。
●どの会社にも二つの組織がある。そのひとつは組織図に書きあらわすことができる公式のもの。そしてもうひとつは、その会社に所属する男女の、日常の、血の通った関係である。-組織図は会社には必要であり、責任範囲が明確になる。しかし、どこか一部が機能していないと、通常その責任者を解雇することになる。そうするとだれも提案しなくなる。そうなるとTopはそういうことがおこっていることすら知らないことになる。
日経BP企画
かつての巨大コングロマリット米ITTの社長兼CEO(最高経営責任者)として58四半期連続増益を遂げたハロルド・ジェニーン氏の経営論。1985年刊行のものを復刊した。経営の教科書にしている柳井正ファーストリテイリング会長兼CEOが解説を加える。
ジェニーン氏は「本を読む時は、初めから終わりへと読む。ビジネスの経営はそれとは逆だ。終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをする」と説く。同氏はITTで、どんな状況でも収益を年に10~15%増やすことを目標とし、実現した。現実的な目的を定めることで、そのゴールに行き着くためにすべきことがはっきりする。自分は何をやりたいのかをしっかり見定め、それをやり始めることが重要だと強調する。
ITTでは基本ポリシーの1つとして、「びっくりさせるな!(ノー・サプライズ)」と説いた。企業でびっくりさせられることとはほとんどが良くないことである。問題を発見し対処するのが早いほど解決は容易になる。手遅れにならないうちに状況に対処することが重要だ。「トップマネジメントが当然すべき仕事をしながら机の上をきれいにしておくことは不可能」「企業家精神は大きな公開会社の哲学とは相反する」など、独自の視点で興味深い。
49books in 2011
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