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社員力革命 [人事3-人材育成・グローバル人材・評価]

社員力革命―人を創る、人を生かす、人に任す

社員力革命―人を創る、人を生かす、人に任す

  • 作者: 綱島 邦夫
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2006/09
  • メディア: 単行本
  人事から借りた本ですが、結構読み応えありましたね。非常にGlobalに研究されているなというのが印象で、説得力あります。
  ●大組織を束ねるマネージャーの道は一本線ではない。10人隊長、100人隊長、1000人隊長というレベルアップは連続した道をたどるのではなくジャンプアップを必要としている。つまり変異しなければならない。しかし、残念ながらその変異をできないままに上位下達型のスタイルで終わってしまうマネージャーがあまりにも多いのである。このようなマネージャーを欧米企業ではWHALEと化したマネージャーと呼ぶ。WHALEとはWorking Hard and Learning Ended の頭文字をとった言葉である。そして、彼らは鯨のように大きなスペースを占領していると揶揄される。「ピーダーの法則」に通じるものがあります。
  ●マトリクス組織=マトリスという言葉はギリシャ・ラテン語に起源を持つ。その意味は、生命を育む母胎、女性の子宮である。異質なものが融合し、新たな価値が生まれる場所である。マトリクスの交点に優れた第一線リーダーを持てば、極めて創造性を持つ組織になる。その第一線リーダーは2人の上司に伺いをたてる管理者ではない。どちらの上司も決定できない。なぜならいずれも一つの軸での判断しかできないからだ。両方の軸を見ることができるのは、交点にいる第一線リーダーだけだ。しかも、その第一線リーダーは通常、市場、顧客に最も近いところにいる。最もよい判断をできる立場にいるのだ。そうであれば、そのようなリーダーを多く育てようと、というのがIBMのルイス・ガスナーの立場だったそうである。
  ●シアーズ・ローバックは、1990年代の前半にはビジネス苦境に直面していた。シアーズは社員の意識が社員の行動に反映され、その結果が顧客満足につながり、最終的な事業成果につながるという素朴な考えを経営モデルに発展させた。その内容は論文にまとめられ、Harvard Business Review 1998 Janに掲載され評判になった。例えば、そこには社員満足が5ポイント上がると顧客満足が1.3ポイント上昇し、売り上げが5%あがるという相関関係まで示されている。これまで労務管理の一環として存在していた社員意識調査が初めて経営の土俵にのった瞬間である。
マクドナルドの創業者の話も有名です。
  ●パラダイムから抜け出す道; 今我々が当たり前のように受け入れている偉大な発明のほとんどは、専門外の人間、異質の人間によってなしとげられている。その人たちは3つのタイプに分類することができる。これまでの意識や手順に染まっていない「新入社員」が偉大な発明をすることがある。ICを発見したのは、米国テキサツ・インスツルメント社の新入社員ジャック・キルビーであった。フェデラル・エクスプレスが手掛けて世界中に広めた小口貨物の国際的な宅配便は、新入社員にもなってない学生のプレゼンテーションから生まれた。第二のタイプは、「異分野の専門家」である。DNA分子の二重螺旋構造を解明したのは物理学者のクリックと生物学者のワトソンで、化学者ではない。恐竜の絶滅が、巨大な隕石群の衝突によるものだったとする有力な仮説を打ち立てたのは、恐竜を研究している古生物学者ではなく、ノーベル物理学者のルイス・アルバレスだった。 第三のタイプは、偶然見つかったことだが、その偶然にこだわって、そこから素晴らしい発見へと高めていく能力をもったタイプである。
  企業が創造的であり、現場からさまざまな問題意識と創造的アイデアが生み出されるためには、異質の人々が交わり合い、共同で知恵と経験を交換しあうチームラーニングが重要である。
  ●日本人にとって総体的思考は難しい。目の前にある問題に対して分析的に思考するトレーニングしか受けてないからだ。しかし、総体的思考は、現在目の前にある問題をそのままの状態でとらえるのではなく、現在は見えてない部分をも含めた全体をとらえるところから始まる。顕在化している問題は、ごく一部であり、ほかの部分は隠れているかもしれない。したがって、目の前にある問題の細部を検討、分析する前に、できるだけ全体を把握することに努める。欧米ではよく、システミック・シンキング=総体的思考を重視しており、よく「コンセプトは」から、話が始まるのはそのためである。
  江戸の作家・十辺舎一九は「東海道中膝栗毛」の中で「風が吹けば桶屋が儲かる」という論理を披露している。風が吹けばほこりが立ち、人の目に入って、目の見えなくなる人が増える。江戸時代、目の見えない人の職業といえば、按摩か三味線弾き。当時三味線には猫の皮を使ったから、猫がたくさん捕獲され、猫が減るのでネズミが増える。ネズミは桶をかじって、ダメにする。結果、桶が売れて桶屋が儲かるという。これは総体的思考である。

内容(「BOOK」データベースより)

問題発見力を持つ社員をつくり続けるトヨタ自動車、フラット&ウェブ改革で社員を変えた松下電器産業、グローバルに権限を委譲し世界企業になった武田薬品工業。強い会社はボトムアップで儲ける。利益を生み出し続ける社員・組織のつくり方を解明。
提言1  報酬哲学の根本的な見直し
提言2  問題発見力を持つ社員の育成
提言3  人を成長させるキャリアパス設計
提言4  「アセスメント」の真剣な活用
提言5  コラボレーション風土の開発
提言6  責任委譲経営の推進
提言7  グローバル人事制度の開発
エッセンスはここでみれます。
今年57冊目

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